「四句」の版間の差分
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+ | 第一の諦は、全ては苦しみである、苦諦である。<br> | ||
+ | 第二の諦は、苦しみは必ず生じる、集諦である。<br> | ||
+ | 第三の諦は、苦しみは必ず滅する、滅諦である。<br> | ||
+ | 第四の諦は、苦を越える道がある、道諦である。」 | ||
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+ | マールンキャープッタは、歓喜して、実践した。 |
2013年5月18日 (土) 20:44時点における版
釈尊が、形而上の問いに対して実践を重視する視点方答えられなかった「十四無記」。毒矢の喩として有名である。
- 世界は常住である。
- 世界は無常である。(時間的に限定されていないか、いるか。)
- 世界は常住かつ無常である。
- 世界は常住でもなくかつ無常でもない
- 世界は有辺である。
- 世界は無辺である。(空間的に限定されているか、いないか)
- 世界は有辺かつ無辺である。
- 世界は有辺でもなくかつ無辺でもない。
- 身体と霊魂とは一つである。
- 身体と霊魂は別である。
- 人格完成者(如来)は死後に生存する。
- 人格完成者(如来)は死後に生存しない。
- 人格完成者(如来)は死後に生存し、かつ生存しない。
- 人格完成者(如来)は死後に生存するのではなく、かつ生存しないでもない。
箭喩経(チューラマールンキャー・スッタ)
第一章
あるとき、わたしは、このように聞いた。
ある日のこと、仏陀は、サーヴァッティの、
アナータピンディカの園に、止まられていた。
そこに、マールンキャープッタが訪れ、尋ねた。
「尊師よ、思うに、この四つの問に対して、
仏陀は、未だに、答えを与えられていません。
答えてくれないならば、還俗したいと考えます。
第一の問いは、世界の時間は、有限か、無限か。
第二の問いは、世界の空間は、有限か、無限か。
第三の問いは、精神と身体は、同一か、別異か。
第四の問いは、死後の如来は、現実か、幻影か。」
マールンキャープッタに、仏陀は、こう答えた。
「例えば、ここに、矢が刺さった者が居る。
もし、彼が、この矢を射た者を確めない限り、
毒矢を抜かないと言ったら、どうなるだろうか。」
「尊師よ、助かるものも、助かりますまい。
射た者を確める前に、矢を取り除くべきです。
取り除かないでいたら、毒が回ってしまいます。」
「例えば、ここに、矢が刺さった者が居る。
もし、彼が、この矢を射た弓を確めない限り、
毒矢を抜かないと言ったら、どうなるだろうか。」
「尊師よ、助かるものも、助かりますまい。
射た弓を確める前に、矢を取り除くべきです。
取り除かないでいたら、毒が回ってしまいます。」
「例えば、ここに、矢が刺さった者が居る。
もし、彼が、この矢を射た処を確めない限り、
毒矢を抜かないと言ったら、どうなるだろうか。」
「尊師よ、助かるものも、助かりますまい。
射た処を確める前に、矢を取り除くべきです。
取り除かないでいたら、毒が回ってしまいます。」
「例えば、ここに、矢が刺さった者が居る。
もし、彼が、この矢を射た訳を確めない限り、
毒矢を抜かないと言ったら、どうなるだろうか。」
「尊師よ、助かるものも、助かりますまい。
射た訳を確める前に、矢を取り除くべきです。
取り除かないでいたら、毒が回ってしまいます。」
第二章
「例えば、ここに、矢に居られた者が居る。
もし、彼が、時間が有限か否か、解かるまで、
毒矢を抜かないと言ったら、どうなるだろうか。」
「尊師よ、助かるものも、助かりますまい。
時の際を確める前に、矢を取り除くべきです。
取り除かないでいたら、毒が回ってしまいます。」
「例えば、ここに、矢に居られた者が居る。
もし、彼が、空間が有限か否か、解かるまで、
毒矢を抜かないと言ったら、どうなるだろうか。」
「尊師よ、助かるものも、助かりますまい。
空の際を確める前に、矢を取り除くべきです。
取り除かないでいたら、毒が回ってしまいます。」
「例えば、ここに、矢に居られた者が居る。
もし、彼が、心身が同じか否か、解かるまで、
毒矢を抜かないと言ったら、どうなるだろうか。」
「尊師よ、助かるものも、助かりますまい。
心の際を確める前に、矢を取り除くべきです。
取り除かないでいたら、毒が回ってしまいます。」
「例えば、ここに、矢に居られた者が居る。
もし、彼が、死後に居るか否か、解かるまで、
毒矢を抜かないと言ったら、どうなるだろうか。」
「尊師よ、助かるものも、助かりますまい。
死の際を確める前に、矢を取り除くべきです。
取り除かないでいたら、毒が回ってしまいます。」
「目的に適わないものを、如来は説かない。
如来が、出離のために説く、四つの諦がある。
それでは、この四つの諦とは、如何なるものか。
第一の諦は、全ては苦しみである、苦諦である。
第二の諦は、苦しみは必ず生じる、集諦である。
第三の諦は、苦しみは必ず滅する、滅諦である。
第四の諦は、苦を越える道がある、道諦である。」
マールンキャープッタは、歓喜して、実践した。