他利利他の深義
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たり-りたのじんぎ
曇鸞の浄土論註巻下に、世尊の浄土論の「菩薩はかくのごとく五門の行を修して自利利他す。速やかに阿耨多羅三藐三菩提を成就する」とある文を解釈して、文に、「自利他利」といわず「自利利他」といったのは、「他利」は衆生からいうことで、他の衆生がめぐみをうけるというにすぎないが「利他」は他の衆生をめぐみすくうという仏力が示されているという。
親鸞はこれに深い意味を見出して、衆生の自信教人信のはたらきも実は如来の利他の大用(大いなるはたらき)に他ならないのであり、願生者の修める五念門の行が他の衆生にめぐみをあたえるというのではなく、衆生からいえば他が利する、即ち阿弥陀仏がめぐみを与えると解釈した。(仏教学辞典)
- この解釈は、いま少しく肯うことが出来ない。