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一切種智

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いっさい-しゅち

 完全なさとりの智慧。一切の存在について平等と差別、空と有を不二一体にさとり尽す仏の智慧。(行巻 P.198, 証巻 P.322, 真巻 P.366, 化巻 P.447)

出典(教学伝道研究センター編『浄土真宗聖典(注釈版)第二版』本願寺出版社
『浄土真宗聖典(注釈版)七祖篇』本願寺出版社

区切り線以下の文章は各投稿者の意見であり本願寺派の見解ではありません。

いっさいち 一切智〔道種智〕〔一切種智〕

一切智は(梵)サルヴァ・ジュニャーター sarva-jñata の訳で、「薩婆若」多と音写し、その智慧の深広なことを海に喩えて「薩婆若海」ともいう。
すべての存在に関して概括的に知る智慧が一切智であり、菩薩が衆生を教化するためにの種別を知り尽くす智慧が道種智(道相智)であり、すべての存在に関して平等の相に即して差別の相をさらに精細に知る智慧が一切種智(一切相智)であって、それぞれ声聞および縁覚・菩薩・仏の智慧とする(大品般若経巻一・巻二十一、智度論巻二七・巻八四)。天台宗では、空・仮・中の三観によって三智を得ると説く。その場合、別教の次第の三観では順次に「一切智」・「道種智」・「一切種智」を得るが、円教の不次第の三観では一心に同時に三智を得るとして、これを一心三智という。(仏教学辞典)