道理
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どうり
単に理ともいう。正しいことわり。ものごとが存在し変化してゆく上に必ず準拠している法則。『瑜伽師地論』巻30では以下の四種の道理を分ける。
- 観待道理 (相待道理ともいう。真と俗のように相待的に考えられる道理。)、
- 作用道理 (因果の関係において存在する作用についての道理)、
- 証成道理 (成就道理ともいう。確認するしかたについての道理。)、
- 法爾道理 (法然道理ともいう。火に熱さがあるように、あるがままのすがたで不変の本性を完成しているという道理。)
云何名爲尋思於理。謂正尋思四種道理。
- 云何んが名づけて理を尋思すと爲すや。謂く正しく四種の道理を尋思す、
一觀待道理。二作用道理。三證成道理。四法爾道理。
- 一には觀待道理、二には作用道理、三には證成道理、四には法爾道理なり。
當知此中由觀待道理 尋思世俗以爲世俗。尋思勝義以爲勝義。尋思因縁以爲因縁。
- 當に知るべし、此の中 觀待道理に由つて世俗を尋思して以つて世俗とし、勝義を尋思して以つて勝義と爲し、因縁を尋思して以つて因縁と爲し、
由作用道理尋思諸法所有作用。謂如是如是法有如是如是作用。
- 作用道理に由つて諸法の所有(あらゆ)る作用を尋思す、謂く是の如き是の如きの法に是の如き是の如きの作用有りと、
由證成道理尋思三量。
- 證成道理に由つて三量を尋思す、
一至教量。二比度量。三現證量。
- 一には至教量、二には比度量、三には現證量なり、
謂正尋思如是如是義。爲有至教不。爲現證可得不。爲應比度不。
- 謂く正しく是の如き是の如き義に、至教有りと爲んや不や、現證し得べしと爲せんや不や、應に比度すべしと爲せんや不やと尋思す、
由法爾道理。於如實諸法 成立法性。難思法性 安住法性 應生信解 不應思議不應分別。
- 法爾の道理に由つて、如實なる諸法の、成立する法性、難思の法性、安住の法性に於いて、應に信解を生ずべく應に思議すべからず、應に分別すべからず、
如是名爲尋思於理。
- 是の如きを名けて理を尋思すと爲すと。