節談説教
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ふしだん-せっきょう 節談説教
巧みな譬喩や人情話をもとに、言葉に節や抑揚をつけて法義を談ずる説教のこと。江戸時代に浄土真宗で特に発達した。題材は幅広く、親鸞や蓮如の生涯、二河白道など聖教にもとづくものから忠臣蔵など通俗的なものまである。一時衰えたが布教伝道と娯楽を兼ねて広く親しまれた。(浄土真宗辞典)
◆ 参照読み込み (transclusion) JDS:節談説教
ふしだんせっきょう/節談説教
言葉に節をつけ、鍛えた声と巧みな節回しで聴衆の感覚に訴える情念の説教のこと。江戸時代後期に真宗が創造した布教用語で、この呼称と伝承は他の宗派にはない。布教の一手段で、芸能ではない。真宗教義を表出することが必須条件である。江戸後期に恵門(一七九一—一八六二)が開いた東保流など諸流を生み、昭和初期まで続いたが、宗門の近代化の中で衰退した。最近、再検討の機運が生じ、平成一九年(二〇〇七)に「節談説教研究会」が真宗で設立された。
【参考】関山和夫『説教の歴史的研究』(法蔵館、一九七三)、同『説教の歴史』(白水社、一九九二)
【執筆者:関山和夫】