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双樹林下往生

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そうじゅりんげ-おうじょう

 自力諸行によって往生を願う者の得る化土(けど)往生の果をいう。第十九願の諸行往生の法門にあたり、それを開説した『観経』顕説定散二善、すなわち要門の法義をあらわす。

 双樹林下とは釈尊入滅の所である沙羅(さら)双樹(そうじゅ)下のこと。仏の入滅を見ることがある化土の往生であることを示して双樹林下往生と名づける。→三往生諸行往生補註15

出典(教学伝道研究センター編『浄土真宗聖典(注釈版)第二版』本願寺出版社
『浄土真宗聖典(注釈版)七祖篇』本願寺出版社

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願海真仮論

  • 源信僧都の『往生要集』(寛和元年(985年)成立とされる)の影響(要集 P.892) 等をうけた『平家物語』の冒頭には無常の例として、
祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響あり 娑羅双樹の花の色 盛者必衰の理を顕す 奢れる人も久しからずただ春の夜の夢の如し 猛き者もつひには滅びぬ偏に風の前の塵に同じ。

とあるように、娑羅双樹の語で釈尊の入滅の故事を引いている。(涅槃経) 釈尊が入滅の時に四方にあった娑羅樹が枯れて白くなったという逸話による。現代の葬儀においても、四華花(紙花華)として、白い紙に細かく切目を入れて娑羅双樹になぞらえて葬儀の際の飾り物とする風習がある地方もある。神道の御幣と似ているので誤解する人もいるのだが、その場合は『平家物語』の無常の一段から「後生の一大事」を説くことも仏恩報謝の営みであろうと思ふ。