名号摂化
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みょうごう-せっけ
阿弥陀仏は自身が発(おこ)した誓願(菩提心)において、その光明無量の願(第十二願)により、十方の衆生に仏縁を与え、名号を称える念仏往生の願(第十八願)によって十方の衆生を救済するということ。
この念仏往生の願の名号による摂化を名号摂化といふ。
出拠は『往生礼讃』に、
然弥陀世尊 本発深重誓願 以光明名号摂化十方 但使信心求念 上尽一形下至十声一声等 以仏願力易得往生
- しかるに弥陀世尊、本深重の誓願を発して、光明・名号をもつて十方を摂化したまふ。 ただ信心をもつて求念すれば、上一形を尽し下十声・一声等に至るまで、仏願力をもつて易(やす)く往生を得。(往生礼讃 P.659)
とある光明を縁とし名号を因とする「名号摂化」の語からいわれる。
なお『三部経大意』には、
このゆへに弥陀善逝 平等の慈悲にもよおされて、十方世界にあまねく光明をてらして、転(うたた)、一切衆生にことごとく縁をむすばしめむがために、光明無量の願をたてたまへり、第十二の願これなり。
つぎに名号をもて因として、衆生を引摂せむがために、念仏往生の願をたてたまへり。第十八の願これなり。
その名を往生の因としたまへることを、一切衆生にあまねくきかしめむがために諸仏称揚の願[1]をたてたまへり、第十七の願これなり。
と、光明無量の願(第十二願)、念仏往生の願(第十八願)、諸仏称揚の願(第十七願)を挙げておられた。
- ↑ 御開山はこの「諸仏称揚の願」の名を行文類の願名列挙の最初に挙げておられる。