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三経隠顕

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さんぎょう-おんけん

さんぎょう-おんけん 三経隠顕

 浄土三部経の説相を隠顕を通して解釈すること。親鸞は三経について一致 (隠) と差別 (顕) の両様の見方を示している。顕 (顕説(けんぜつ)) の立場からいえば、『大経』は第十八願他力念仏の法、『観経』は第十九願自力諸行の法、『小経』は第二十願自力念仏の法を開説した経典であり (三経差別)、隠 (隠彰(おんしょう)) の立場からいえば、『観経』『小経』の本意は『大経』と同じく他力念仏の法を説くことにあるとする (三経一致)。「化身土巻」 には:「問ふ。『大本』の三心と『観経』の三心と一異いかんぞや。答ふ。釈家の意によりて『無量寿仏観経』を案ずれば、顕彰隠密の義あり」(註 381) とあり、善導の釈意によって『観経』に隠顕があることが示されている。さらに

「『観経』に准知するに、この『経』にまた顕彰隠密の義あるべし」(註 397)

と、『観経』に準じて『小経』にも隠顕があるとしている。→顕彰隠密三輩隠顕。(浄土真宗辞典)