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親鸞聖人蓮如上人の教学は、両師が置かれた時代や歴史的思想背景の違いなどもあって、強調する力点が違う。蓮如上人の場合は、いかに当時の民衆にわかりやすく親鸞聖人の法義の真髄をを伝えるかにご苦労されたのであった。それは親鸞聖人の関東の門弟に対する御消息スタイルを踏襲し「御ふみ」として、門徒の集会である講中で読まれて聞く「御ふみ(手紙)」を門徒に下付するといふ形式の文書伝道が特徴であった。→安芸の蓮崇
現代でも蓮如上人以来500年の時を経て門徒の朝夕の勤行(おつとめ)の後で拝読されている後生の一大事を説く御ふみのご教化であった。

蓮如教学の大家であった稲城選恵和上は、『浄土真宗の再興』という著述で、

宗祖教学と蓮師教学の背景の相違……

  1.  教団意識の有無について……
  2.  他宗と他流他派の混同の相違……
  3.  人間苦と家庭苦の相違……
  4.  時代背景の相違……
  5.  念仏正信と正信念仏……
  6.  往生門と正覚門の有無……
  7.  社会性と非社会性……
  8.  妥協と寛容の誤解……
  9.  異義と正義……
  10.  現実と来世のウェイトの相違……

と、御開山の教学と、蓮如さんの教学の差異について述べておられたものである。