操作

トーク

よばうて

提供: WikiArc

2020年1月11日 (土) 05:31時点における林遊 (トーク | 投稿記録)による版 (ページの作成:「[https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/821603/32 『真宗信者の模範』] 三 その称名が喚声ぢや 「たのめ、たすくる」の<kana>喚声(よびごえ...」)

(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)

『真宗信者の模範』

三 その称名が喚声ぢや

「たのめ、たすくる」の喚声(よびごえ)は、日夜、我等の上にくだらせられてある。されど自力の執情(しゅうじょう)は、さまざまな(さまた)げをして、容易にそれが聴こえない。七三朗も若い時は、()(かく) 思ひ(わづら)つて()たが、ある時、美濃路(みのぢ)で、とある同行の家に泊まった。そこに一人の老媼(ばあさん)があつて、非常にお慈悲を喜んで居る。七三朗のいふようは、「私は、どうも如来の喚声(よびごえ)が聞えませぬ。どうしたならばそれを聞こえませう」と、老媼(ばあさん)いはく、「お前は何をいふて御座(ござ)る、お前の口から出る御称名(おしょうみょう)、それが如来の喚声(よびごえ)ぢや」。

これを聞いた七三朗、踊り上がるほどに喜んだ。