譬喩
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ひゆ
譬、あるいは喩ともいう。教説の意味内容を理解しやすくするために、実例や寓話などを用いて説明すること。釈尊は説法に際して譬喩を巧みに用い、大乗・小乗を通じて諸経論に多くの譬喩が説かれている。
譬喩には、一般には現在の事実を用いるが、時として仮設した事柄を用いることがある。また人間の顔のうるわしさを満月に喩えるように眼前の小さなものを大きなものに比したり、あるいは粗なるものによって細なるものに喩え、あるいは一部または全体の類似から譬喩とするなど、種々の別がある。
『北本涅槃経』師子吼菩薩品には、譬喩をその説き方から分類して
八種類に分ける。即ち、順喩(物の正起の順序にしたがって説く譬喩)・逆喩(順喩の逆)・現喩(現在の事実による譬喩)・非喩(仮設した事柄による譬喩)・先喩(喩えられる事項の先に喩を説く)・後喩(喩えられる事項の後に喩を説く)・先後喩(喩えを先にも後にも説く)・遍喩(喩えの全内容が喩えられる事項の全内容に契合する)、の八種である。[1]