五濁増時多疑謗 道俗相嫌不用聞 見有修行起瞋毒 方便破壊競生怨
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「五濁増の時は多く疑謗し、道俗あひ嫌ひて聞くことを用いず。修行することあるを見ては瞋毒を起こし、方便破壊して競ひて怨を生ず」 (消息 P.787)
出典(教学伝道研究センター編『浄土真宗聖典(注釈版)第二版』本願寺出版社
『浄土真宗聖典(注釈版)七祖篇』本願寺出版社
区切り線以下の文章は各投稿者の意見であり本願寺派の見解ではありません。
『浄土真宗聖典(注釈版)七祖篇』本願寺出版社
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善導大師の『阿弥陀経』の注釈書である『法事讃』にある、娑婆国土は五濁悪世であることを示す以下の偈文から。
- 世尊説法時将了 慇懃付嘱弥陀名
- 五濁増時多疑謗 道俗相嫌不用聞
- 見有修行起瞋毒 方便破壊競生怨
- 如此生盲闡提輩 毀滅頓教永沈淪
- 超過大地微塵劫 未可得離三途身
- 大衆同心皆懺悔 所有破法罪因縁
〔読み下し〕
世尊法を説きたまふこと、時まさに 了(おわ)りなんとして、慇懃に弥陀の名を付属したまふ。五濁増の時は多く疑謗し、道俗あひ嫌ひて聞くことを用ゐず。修行することあるを見ては瞋毒を起し、方便破壊して競ひて怨を生ず。かくのごとき生盲闡提の輩は、頓教を毀滅して永 く沈淪す。大地微塵劫を超過すとも、いまだ三塗の身を離るることを得べからず。大衆同心にみな、あらゆる破法罪の因縁を懺悔せよ。
この文は、なんまんだぶを称えて西方浄土へ往生する浄土教を誹謗中傷する輩に、なんまんだぶの行をそしると地獄に堕ちて、微塵劫を経ても地獄からでることは出来なくなりますよという意である。法然聖人はじめ法然門下では、なんまんだぶを誹謗する輩にこのような偈がありますから、なんまんだぶの法をそしるこっとには気をつけなさいとよく使われた偈文である。
御開山は『正像末和讃」で、
(13)
- 五濁の時機いたりては
- 道俗ともにあらそひて
- 念仏信ずるひとをみて
- 疑謗破滅さかりなり
も、その意である。