ようかん
(1033-1111)。南都三論宗の浄土教の学僧。文章博士(もんじょうはかせ)源国経(みなもとのくにつね)の子で、十一歳の時禅林寺深観(じんかん)に師事し、翌年東大寺で具足戒を受け、三論、法相(ほっそう)の教義を学ぶ。その後東大寺別所の光明山寺(こうみょうせんじ)に入って念仏をこととしたが、四十歳の時に禅林寺に帰り、東南院を構え、念仏の教えを勧めた。六十八歳の時、東大寺別当職に補せられたが、一住持二年だけ勤めて禅林寺に帰り、八十歳で入寂した。著書に『往生十因』一巻『往生講式』一巻などがある。