行者宿報設女犯
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「行者、宿報にてたとひ女犯すとも、われ玉女の身となりて犯せられん。一生のあひだ、よく荘厳して、臨終に引導して極楽に生ぜしめん」(御伝鈔 P.1044)
出典(教学伝道研究センター編『浄土真宗聖典(注釈版)第二版』本願寺出版社
『浄土真宗聖典(注釈版)七祖篇』本願寺出版社
区切り線以下の文章は各投稿者の意見であり本願寺派の見解ではありません。
『浄土真宗聖典(注釈版)七祖篇』本願寺出版社
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- 『親鸞夢記』
親鸞夢記云
六角堂救世大菩薩 示現顔容端政之僧形 令服著白衲御袈裟 端坐広大白蓮華 告命善信言、
- 行者宿報設女犯
- 我成玉女身被犯
- 一生之間能荘厳
- 臨終引導生極楽 {文}
救世菩薩誦此文言 此文吾誓願ナリ。一切群生可説聞告命。因斯告命 数千万有情令聞之 覚夢悟了。[1](『浄土真宗聖典全書』親鸞夢記云p1008)
覚如上人の『御伝鈔』に「かの『記』にいはく」として、
- 六角堂の救世菩薩、顔容端厳の聖僧の形を示現して、白衲の袈裟を着服せしめ、広大の白蓮華に端坐して、善信(親鸞)[2]に告命してのたまはく、「行者宿報設女犯 我成玉女身被犯 一生之間能荘厳 臨終引導生極楽」といへり。救世菩薩、善信にのたまはく、「これはこれわが誓願なり。善信この誓願の旨趣を宣説して、一切群生にきかしむべし」と云々。 (御伝鈔 P.1044)
と、ある。なお、『梁塵秘抄』(1180年前後に成立)に「観音験(しるし)を見する寺、清水石山、長谷の御山、粉河近江なる彦根山、間近く見ゆるは六角堂(梁塵秘抄 No.312)」とあるように、当時の六角堂は観音により仏道におけるしるし(験)を得ることの出来る場とされていたようである。
- ↑ 親鸞夢記に云く、
六角堂の救世大菩薩、顔容端政の僧形を示現して、白衲の御袈裟を服著せしめて、広大の白蓮華に端坐して、告命して善信に言く、- 行者宿報にして設(たと)ひ女犯するとも、
- 我れ玉女の身と成りて犯せられん。
- 一生の間能く荘厳して、
- 臨終に引導して極楽に生ぜしめむ。 {文}
- ↑ 『教行証文類』の後序には「建仁辛酉の暦、雑行を棄てて本願に帰す)、とあるので 建仁三年の記録として示す「女犯偈」を法然教団への入門(建仁辛酉の暦1201)の時とするには無理がある。「女犯偈は」綽空から善信へという改名の夢告と見る方が親しいと思ふ。