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「浄土宗」の版間の差分

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法然聖人が[[浄土宗]]を「[[jds:立教開宗|立教開宗]]」されたのは、当時の[[jds:顕密体制論|顕密仏教]]から見放されていた民衆(凡夫)に、全く新しい視点から[[生死]]を超える、あらゆる者が'''[[済度]]'''され得る仏教を洞察されたからであった。<br />
 
法然聖人が[[浄土宗]]を「[[jds:立教開宗|立教開宗]]」されたのは、当時の[[jds:顕密体制論|顕密仏教]]から見放されていた民衆(凡夫)に、全く新しい視点から[[生死]]を超える、あらゆる者が'''[[済度]]'''され得る仏教を洞察されたからであった。<br />
それまでも[[聖道門]]では浄土の教説は説かれてきたのだが、それはあくまで[[聖道門]]内の[[jds:寓宗|寓宗]]としての浄土思想でしかなかった。法然聖人や親鸞聖人が学ばれた[[天台宗]]では[[四種浄土]]説によって凡夫の[[報土]]への[[往生]]を認めず、[[法相宗]]では甚深の浄土を説くのだが凡夫の報土往生は許さなかった。
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それまでも[[聖道門]]では浄土の教説は説かれてきたのだが、それはあくまで[[聖道門]]内の[[jds:寓宗|寓宗]]としての浄土思想でしかなかった。法然聖人や親鸞聖人が学ばれた[[天台宗]]では[[四種浄土]]説によって凡夫の[[報土]]への[[往生]]を認めず、[[法相宗]]では甚深の浄土を説くのだが凡夫の報土往生は許さなかった。→[[凡夫入報]]
  
 
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その意を『醍醐本法然上人伝記』には、

2019年12月11日 (水) 06:19時点における版

じょうどしゅう

  浄土の教え。(口伝鈔 P.883)

出典(教学伝道研究センター編『浄土真宗聖典(注釈版)第二版』本願寺出版社
『浄土真宗聖典(注釈版)七祖篇』本願寺出版社

区切り線以下の文章は各投稿者の意見であり本願寺派の見解ではありません。

浄土宗 じょうどしゅう

往生浄土を宗義とする法門。往生浄土宗ともいう。法然は自力修行の成仏を説く聖道門に対し、阿弥陀仏の選択本願による他力救済を宗とする往生浄土の法門があることを明らかにし、これを浄土宗と名づけて独立させた。聖浄二門判を教判とし、浄土三部経と天親菩薩の『浄土論』を所依の経論とする。
また親鸞は浄土宗の真実義を開顕するため、この法門を特に浄土真宗とも呼んだ。

法然を宗祖とする宗派。法然の『選択集』を立教開宗の書とし、選択本願の立場から専修念仏一行による往生を説く。法然門弟により浄土五流などが形成された。このうち弁長を祖とする鎮西流が特に広まり、聖冏が出て教学が整備され、江戸時代には幕府の保護をうけて栄えた。現在では知恩院を総本山として浄土宗と称している。また証空を祖とする西山流は京都を中心に広まり現在は三派に分かれている。(浄土真宗辞典)

法然聖人が浄土宗を「立教開宗」されたのは、当時の顕密仏教から見放されていた民衆(凡夫)に、全く新しい視点から生死を超える、あらゆる者が済度され得る仏教を洞察されたからであった。
それまでも聖道門では浄土の教説は説かれてきたのだが、それはあくまで聖道門内の寓宗としての浄土思想でしかなかった。法然聖人や親鸞聖人が学ばれた天台宗では四種浄土説によって凡夫の報土への往生を認めず、法相宗では甚深の浄土を説くのだが凡夫の報土往生は許さなかった。→凡夫入報

その意を『醍醐本法然上人伝記』には、

もし、別して宗を立てずば、何ぞ凡夫報土に生ずるの義を顕さんや。(浄土宗立宗の意趣)

と、凡夫が阿弥陀仏の建立された「真実報土」へ往生する意を顕すために別して浄土宗を開宗したのだ、と端的に示されていた。
その意味では、法然聖人によって明かされた選択本願念仏の「浄土宗」は、まさに日本における「宗教改革」であった。我々は近代に導入された教科書の記述などで西欧の「宗教改革」といふ語を学ぶのだが、マルティン・ルターに先行する12世紀に仏教思想の改革をされた方が法然聖人であった。(西欧思想にかぶれた仏教学者や坊さんには、これがわからんので困ったものである。)

その意味で、ラジカルな思想の体現者と見做される親鸞聖人には、新しい宗派を開くという意図は全くなかった。法然聖人の開顕された往生浄土の教えの真実義を追求されて、本願力回向の法義を浄土真宗と呼ばれたのである。「高僧和讃」に、

智慧光のちからより
 本師源空あらはれて
 浄土真宗をひらきつつ
 選択本願のべたまふ (高僧 P.595)

と、されて浄土真宗を開かれたのは法然聖人であるとされる所以である。

聖浄二門
浄土真宗
浄土真宗の特長
法然聖人の他力思想

参照WEB版浄土宗大辞典の「浄土宗」の項目