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大宝積経 巻第十七
大唐三蔵 菩提流志 奉詔訳
無量寿如来会 第五之一
如是我聞。一時仏住王舎城 耆闍崛山中。与大比丘衆万二千人倶。皆是諸大声聞 衆所知識。
其名曰 尊者 阿若憍陳如。馬勝。大名有賢。無垢。須跋陀羅。善称円満。憍梵鉢提。優楼頻迦葉。那提迦葉。伽耶迦葉。摩訶迦葉。舎利弗。大目揵連。摩訶迦旃延。摩訶劫賓那。摩訶注那。満慈子。阿尼楼馱。離波多。上首王。住彼岸摩倶羅。難陀。有光。善来。羅睺羅。阿難陀等。而爲上首。
- かくの如く我聞きたまえき。一時、仏、王舎城耆闍崛山の中に住したまいて、大比丘衆万二千人と倶なりき。皆これ諸の大声聞にして衆に知識せらる。その名を尊者阿若憍陳如・馬勝・大名有賢・無垢・須跋陀羅・善称円満・憍梵鉢提・優樓頻蠡迦葉・那提迦葉・伽耶迦葉・摩訶迦葉・舎利弗・大目揵連・摩訶迦旃延・摩訶劫賓那・摩訶注那・満慈子・阿尼樓駄・離波多・上首王・住彼岸摩倶羅・難陀・有光善来・羅睺羅・阿難陀等と曰い、しかも上首たり。
復有菩薩摩訶薩衆。所謂 普賢菩薩・文殊師利菩薩・弥勒菩薩 及賢劫中 諸菩薩摩訶薩衆 前後囲繞。
又与賢護等十六丈夫衆倶。所謂善思惟義菩薩。慧弁才菩薩。観無住菩薩。善化神通菩薩。光幢菩薩。智上菩薩。寂根菩薩。慧願菩薩。香象菩薩。宝幢菩薩等。而爲上首。
咸共遵修普賢之道。満足菩薩一切行願。安住一切功徳法中。到諸仏法究竟彼岸。願於一切世界之中成等正覚。
- また菩薩摩訶薩衆あり。所謂、普賢菩薩・文殊師利菩薩・弥勒菩薩、及び賢劫の中の諸の菩薩摩訶薩衆にして、前後に囲繞せり。
- また賢護等の十六丈夫衆と倶なりき。所謂、善思惟義菩薩・慧弁才菩薩・観無住菩薩・善化神通菩薩・光幢菩薩・智上菩薩・寂根菩薩・慧願菩薩・香象菩薩・宝幢菩薩等にして、しかも上首たり。
- 咸く共に普賢の道を遵修し、菩薩の一切の行願を満足し、一切功徳の法の中に安住し、諸仏の法に到り、彼岸を究竟し、願じて一切世界の中において等正覚を成ず。
又願 生彼兜率陀天 於彼寿終 降生右脇 見行七歩。放大光明 普仏世界六種震動。
而自唱言。我於一切世間。最爲尊貴。釈梵諸天 咸来親奉。
又見習学書計 暦数 声明 伎巧 医方 養生 符印。及余博戯擅美過人。身処王宮 厭諸欲境。見老病死 悟世非常。捐捨国位。踰城学道。解諸纓絡及迦尸迦。被服袈裟六年苦行。能於五濁刹中作斯示見。順世間故 浴尼連河 行趣道場。竜王迎讃 諸菩薩衆 右繞称揚。
- また願じて彼の兜率陀天に生まれ、彼において寿終わり、降りて右脇より生じて七歩を行ずることを見せん。大光明を放ち、普く仏世界、六種に震動す。
- しかも自ら唱えて言わく、我、一切世間において、最も尊貴たらんと。釈梵。諸天、咸く来たりて親奉す。また書計・暦数・声明・伎巧・医方・養生・符印、及び余の博戯を習学することを見じて、美を擅〈ほしいまま〉にすること人に過ぎたり。身、王宮に処して諸の欲境を厭い、老病死を見て世の非常を悟り、国位を捐捨して城を踰〈こ〉え道を学ぶ。諸の纓絡及び迦尸迦を解きて、袈裟を被服し、六年苦行して、能く五濁刹の中においてこれを作す。世間に順ずることを示見するが故に、尼連河に浴して行いて道場に趣く。龍王迎えて讃じ、諸の菩薩衆、右に繞りて称揚せり。
菩薩爾時。受草自敷菩提樹下。結加趺坐。又見魔衆合囲将加危害。菩薩以定慧力 降伏魔怨。成無上覚。
梵王勧請転於法輪。勇猛無畏。仏音震吼。
撃法鼓吹法螺。建大法幢 然正法炬。摂受正法及諸禅定。
雨大法雨 沢潤含生。震大法雷 開悟一切。
諸仏刹土 普照大光。世界之中 地皆震動。
- 菩薩、その時、草を受けて自ら菩提樹の下に敷き、結加趺坐す。また魔衆合囲して、まさに危害を加えんとするを見て、菩薩、定慧の力を以て魔怨を降伏し、無上覚を成じたまう。梵王、勧請して法輪を転ず。勇猛無畏にして、仏音もって震吼す。
- 法鼓を撃ち法螺を吹き、大法幢を建て正法の炬を然〈もや〉して。正法及び諸の禅定を摂受し、大法雨を雨ふらして、含生を沢潤し、大法雷を震いて一切諸仏の刹土を開悟せり。普く大光もって世界の中を照らすに、地みな震動す。
魔宮摧毀 驚怖波旬。破煩悩城 堕諸見網 遠離黒法 生諸白法。
於仏施食 能受能消。爲調衆生宣揚妙理。或見微笑放百千光。昇灌頂階受菩提記。或成仏道。見入涅槃。
使無量有情皆得漏尽。成熟菩薩無辺善根。
- 魔宮を摧毀して波旬を驚怖せしむ。煩悩の城を破り、諸の見網を墮〈こぼ〉ち、黒法を遠離し、諸の白法を生ず。
- 仏において食を施すを能く受け能く消し、衆生を調えんが為に妙理を宣揚す。或いは微笑を見〈あらわ〉して百千の光を放ち、潅頂の階に昇りて菩提の記を受け、或いは仏道を成じて、涅槃に入ることを見す。
- 無量の有情をしてみな漏尽を得しめ、菩薩の無辺の善根を成熟す。
如是諸仏刹中 皆能示見。譬如幻師 善知幻術 而能示見男女等相。於彼相中実無可得。
如是如是 諸菩薩等。善学 無辺幻術功徳故。能示見変化相応。能善了知 変化之道故。示諸仏土 見大慈悲。一切群生 普皆饒益菩薩願行。成就無疆無量義門。通達平等一切善法 具足修成。諸仏刹中平等趣入。常爲諸仏勧進加威。
- 是の如く諸仏刹の中にみな能く示見すること、譬えば幻師の善く幻術を知り、しかも能く男女等の相を示見し、彼の相の中において実に得べきことなきが如し。
- 是の如し是の如し、諸の菩薩等は善く無辺の幻術の功徳を学ぶが故に、能く変化相応を示見し、能善く変化の道を了知するが故に、諸仏の土を示し大慈悲を見〈あらわ〉しめ、一切群生、普くみな饒益す。菩薩の願行、成就すること疆なし。無量義門、通達して平等なり。一切善法、具足し修成して、諸仏刹の中に平等に趣入して、常に諸仏のために勧進して威を加う。
一切如来 識知印可。爲教菩薩 作阿闍梨。
常習相応 無辺諸行。通達一切法界所行。能善了知 有情及土。
亦常発趣 供諸如来。見種種身 猶如影像。
善学 因陀羅網 能破魔網。壊諸見網 入有情網。能超 煩悩眷属及魔侶魔人。遠出声聞辟支仏地。入空無相無願法門。
而能安住方便善巧。
- 一切の如来、印可を識知して、菩薩に教えんが為に阿闍梨と作る。常に相応無辺の諸行を習いて、一切法界の所行に通達し、能善く有情及び土を了知す。
- また常に発趣して諸の如来を供し、種種の身を見すること猶し影像の如し。善く因陀羅網を学び、能く魔網を破し、諸見の網入有情の網を壊り、能く煩悩の眷属及び魔侶・魔人を超えて、遠く声聞辟支仏地を出で、空・無相・無願の法門に入り、しかも能く方便善巧に安住す。
初不楽 入二乗涅槃 得無生・無滅諸三摩地。及得一切陀羅尼門。広大諸根弁才決定。於菩薩蔵法 善能了知。
仏華三昧 随時悟入。具一切種甚深禅定。一切諸仏 皆悉見前。
- 初より二乗の涅槃に入ることを楽わず、無生・無滅、諸の三摩地を得。及び一切陀羅尼門、広大の諸根弁才を得て、菩薩蔵の法を決定し、善能く仏華三昧を了知して、時に随い悟入し、一切種甚深の禅定を具して、一切諸仏みな悉く前に見〈あらわ〉る。
於一念中遍遊仏土。
周旋往返不異其時。於難非難辺能了諸辺。
敷演実際。差別善知。得仏弁才住普賢行。善能分別衆生語言。
超過世間一切之法。善知一切出世間法。得資具自在波羅蜜多。
荷担有情爲不請友。能持一切如来法蔵。
安住不断一切仏種。哀愍有情能開法眼。
閉諸悪趣開善趣門。普観有情能作父母兄弟之想。
又観衆生如己身想。証得一切。讃歎功徳波羅蜜多。
能善了知讃歎如来一切功徳。及余称讃諸功徳法。
如是菩薩摩訶薩衆無量無辺。皆来集会。
- 一念の中において、遍く仏土に遊び、周旋往返するにその時を異にせず。難。非難の辺において能く諸辺を了し、実際の差別を敷演して善く知り、仏の弁才を得て普賢の行に住し、善能く衆生の語言を分別し、世間一切の法に超過して、善く一切の出世間の法を知り、資具自在波羅蜜多を得て、有情を荷担し不請の友と為りて、能く一切如来の法蔵を持ち、安住して一切の仏種を断たず、有情を哀愍して能く法眼を開き、諸の悪趣を閉じて善趣の門を開き、普く有情を観じて能く父母兄弟の想を作し、また衆生を観じて己が身を想うが如し。一切の讃歎功徳波羅蜜多を証得して、能善く如来一切の功徳を了知し讃歎し、及び余の諸の功徳の法を称讃す。是の如きの菩薩摩訶薩衆、無量無辺なり。みな来りて集会す。
爾時尊者阿難。従坐而起整理衣服。偏袒右肩右膝著地。
合掌向仏白言。大徳世尊。
身色諸根悉皆清浄。威光赫奕如融金聚。又如明鏡凝照光暉。
従昔已来初未曾見。喜得瞻仰生希有心。
世尊今者。入大寂定行如来行皆悉円満。
善能建立大丈夫行。思惟去来現在諸仏。世尊何故住斯念耶。
- その時、尊者阿難、坐より起ちて衣服を整理して、偏に右の肩を袒ぎ、右の膝を地に著け、合掌して仏に向かいて白して言さく。大徳世尊、身色諸根、悉くみな清浄なり。威光赫奕たること融金聚の如く、また明鏡の凝照の光暉くが如し。昔より已来、初より未だ曾て見ず。喜得し瞻仰して希有の心を生ず。世尊、今は大寂定に入りて如来の行を行じ、みな悉く円満して、善能く大丈夫の行を建立し、去来現在の諸仏を思惟したまう。世尊、何が故ぞこの念に住したまうや。
爾時仏告阿難。汝今云何能知此義。爲有諸天来告汝耶。爲以見我及自知耶。
- その時、仏、阿難に告げたまわく。汝今云何が能くこの義を知る。諸天ありて来りて汝に告ぐるとせんや、為以〈はた〉我を見、及び自ら知るや。
教巻引文
阿難白仏言。世尊。我見如来光瑞希有故発斯念非因天等。
仏告阿難。善哉善哉汝今快問。善能観察微妙弁才。能問如来如是之義。
汝爲一切如来応正等覚。及安住大悲 利益群生 如優曇花希有大士出見世間。
故問斯義。又爲哀愍利楽諸衆生故。能問如来如是之義。
阿難。如来応正等覚。善能開示無量知見。何以故。如来知見無有障礙。
阿難。如来応正等覚欲楽住世。能於食頃住無量無数百千億那由他劫。若復増過如上数量。
而如来身及以諸根無有増減。何以故。如来得三昧自在到於彼岸。
於一切法最勝自在。是故阿難諦聴善思念之。吾当爲汝分別解説。
阿難白仏言。唯然世尊。願楽欲聞
- 阿難。如来応正等覚は、善能く無量の知見を開示す。何を以ての故に。如来の知見は障礙あることなし。阿難、如来応正等覚は住世を楽わんと欲わば、能く食の頃において住すること無量無数百千億那由他劫にして、もしはまた上の如きの数量を増過せん。しかも如来の身、及以び諸根は増減あることなし。何を以ての故に。如来は三昧を得て自在に彼岸に到り、一切の法において最勝自在なればなり。この故に阿難、諦らかに聴き善思してこれを念え。吾まさに汝が為に分別し解説すべし。
- 阿難、仏に白して言さく。唯然なり、世尊、願楽して聞きたてまつらんと欲う。
爾時仏告阿難。
往昔過阿僧祇無数大劫。有仏出現号曰然灯。於彼仏前極過数量。有苦行仏出興于世。苦行仏前復有如来号爲月面。月面仏前過於数量。有旃檀香仏於彼仏前有蘇迷盧積仏。盧積仏前復有妙高劫仏。如是展転。有離垢面仏。不染汚仏。竜天仏。山声王仏。蘇迷盧積仏。金蔵仏。照曜光仏。光帝仏。大地種姓仏。光明熾盛琉璃金光仏。月像仏。開敷花荘厳光仏。妙海勝覚遊戯神通仏。金剛光仏。大阿伽陀香光仏。捨離煩悩心仏。宝増長仏。勇猛積仏。勝積仏。持大功徳法施神通仏。映蔽日月光仏。照曜琉璃仏。心覚花仏。月光仏。日光仏。花瓔珞色王開敷神通仏。水月光仏。破無明暗仏。真珠珊瑚蓋仏。底沙仏。勝花仏。法慧吼仏。有師子吼鵝鴈声仏。梵音竜吼仏。如是等仏出現於世。
相去劫数皆過数量。彼竜吼仏未出世前無央数劫。有世主仏。
世主仏前無辺劫数有仏出世。号世間自在王 如来 応正等覚 明行円満 善逝 世間解 無上丈夫 調御士 天人師 仏世尊。
- その時、仏、阿難に告げたまわく。往昔、阿僧祇無数大劫を過ぎて、仏ましまして出現したまえり号そて然灯と曰う。彼の仏の前において極めて数量を過ぎて、苦行仏ましまして世に出興したまう。苦行仏の前に、また如来ましまし。号して月面と為す。月面仏の前に数量を過ぎて、旃檀香仏まします。彼の仏の前において蘇迷盧積仏ましまし、盧積仏の前にまた妙高劫仏ましましき。是の如く展転して、離垢面仏・不染汚仏・龍天仏・山声王仏・蘇迷盧積仏・金蔵仏・照曜光仏・光帝仏・大地種姓仏・光明熾盛琉璃金光仏・月像仏・開敷花荘厳光仏・妙海勝覚遊戯神通仏・金剛光仏・大阿伽陀香光仏・捨離煩悩心仏・宝増長仏・勇猛積仏・勝積仏・持大功徳法施神通仏・映蔽日月光仏・照曜琉璃仏・心覚花仏・月光仏・日光仏・花瓔珞色王開敷神通仏・水月光仏・破無明暗仏・真珠珊瑚蓋仏・底沙仏・勝花仏・法慧吼仏・有師子吼鵝鴈声仏・梵音龍吼仏まします。是の如き等の仏、世に出現したまうに、劫数を相去ることみな数量を過ぎたり。彼の龍吼仏、未だ世に出でたまわざる前無央数劫に、世主仏まします。世主仏の前無辺劫数に仏ましまして出世したまえり。世間自在王如来・応・正等覚・明行・円満・善逝・世間解・無上・丈夫調御士・天人師・仏・世尊と号す。
阿難。彼仏法中有一比丘。名曰法処。有殊勝行願及念慧力増上。
其心堅固不動。福智殊勝人相端厳。
阿難。彼法処比丘。往詣世間自在王如来所。偏袒右肩頂礼仏足。向仏合掌。以頌讃曰
- 阿難。彼の仏の法中に一の比丘あり。名づけて法処と曰う。殊勝の行願及び念慧力あり。その心を増上して堅固不動なり。福智殊勝にして、人相端厳なり。阿難。彼の法処比丘、世間自在王如来の所に往詣して、偏に右肩を袒ぎ、仏足を頂礼して、仏に向かいて合掌して、頌を以て讃じて曰く。
如来無量無辺光 挙世無光可能喩
一切日月摩尼宝 仏之光威皆映蔽
世尊能演一音声 有情各各随類解
又能現一妙色身 普使衆生随類見
- 如来の無量無辺光は 世を挙げて光の能く喩うべきなし
- 一切の日月・摩尼宝 仏の光威にみな映蔽す
- 世尊能く一の音声を演べたまわば 有情おのおの類に随いて解す
- また能く一の妙色身を現じて 普く衆生をして類に随いて見せしむ。
戒定慧進及多聞 一切有情無与等
心流覚慧如大海 善能了知甚深法
惑尽過亡応受供 如是聖徳惟世尊
仏有殊勝大威光 普照十方無量刹
- 戒・定・慧・進及び多聞は 一切の有情ともに等しきものなし
- 心流覚慧は大海の如し 善能く甚深の法を了知す
- 惑尽き過亡じて、まさに供を受くべし 是の如き聖徳は惟世尊のみなり
- 仏は殊勝の大威光ありて 普く十方無量の刹を照らしたまえり。
我今称讃諸功徳 冀希福慧等如来
能救一切諸世間 生老病死衆苦悩
願当安住三摩地 演説施戒諸法門
忍辱精勤及定慧 庶当成仏済群生
- 我、今、諸の功徳を称讃す 冀希〈ねが〉わくは福慧、如来に等しくして
- 能く一切の諸の世間の 生老病死の衆の苦悩を救わん
- 願わくはまさに三摩地に安住して 施・戒の諸の法門
- 忍辱・精勤及び定・慧を演説すべし 庶〈ねが〉わくはまさに成仏して群生を済うべし。
爲求無上大菩提 供養十方諸妙覚
百千倶胝那由他 極彼恒沙之数量
又願当獲大神光 倍照恒沙億仏刹
及以無辺勝進力 感得殊勝広浄居
如是無等仏刹中 安処群生当利益
十方最勝之大士 彼皆当往生喜心
唯仏聖智能証知 我今希求堅固力
唯仏聖智能証知 我今希求堅固力
- 無上の大菩提を求めんが為に 十方の諸の妙覚を供養し
- 百千倶胝那由他に 彼の恒沙の数量を極めん
- また願わくはまさに大神光を獲て ますます恒沙億の仏刹を照らし
- 及以び無辺の勝進力もって 殊勝の広浄居を感得すべし
- 是の如きの無等の仏刹の中に 群生を安処しまさに利益すべし
十方最勝の大士 彼にみなまさに往生して心を喜ばしむべし
- 唯仏の聖智のみ能く 我が今の希求の堅固力を証知したまえり。
縦沈無間諸地獄 如是願心終不退
一切世間無礙智 応当了知如是心
- たとい無間の諸の地獄に沈むとも 是の如きの願心は終に退せざらん
- 一切世間の無碍智 まさに是の如きの心を了知すべし。
復次阿難。法処比丘。讃仏徳已 白言世尊。
我今発阿耨多羅三藐三菩提心。惟願如来 爲我演説如是等法。令於世間得無等等成大菩提。具摂清浄荘厳仏土。
仏告比丘。汝応自摂清浄仏国。法処白仏言。世尊。我無威力堪能摂受。唯願如来説余仏土清浄荘厳。
我等聞已誓当円満。爾時世尊。爲其広説二十一億清浄仏土具足荘厳。説是法時経于億歳。
- また次に阿難。法処比丘は、仏徳を讃じ已りて世尊に白して言さく。我、今、阿耨多羅三藐三菩提の心を発す。惟願わくは如来、我の為に是の如き等の法を演説したまえ。世間において無等等を得、大菩提を成じて、具に清浄荘厳の仏土を摂せしめたまえ。
- 仏、比丘に告げたまわく。汝、まさに自ら清浄の仏国を摂すべし。法処、仏に白して言さく。世尊、我、威力能く摂受するに堪うることなし。唯願わくは如来、余の仏土の清浄荘厳を説きたまえ。
- 我等聞き已りて誓いてまさに円満すべし。その時世尊、それが為に広く二十一億の清浄仏土の具足荘厳を説きたまえり。この法を説きたまう時、億歳を経たり。
阿難。法処比丘。於彼二十一億諸仏土中。所有厳浄之事悉皆摂受。既摂受已。満足五劫思惟修習。
阿難白仏言。世尊彼世間自在王如来寿量幾何。
世尊告曰。彼仏寿量満四十劫。
阿難。彼二十一倶胝仏刹。法処比丘所摂仏国超過於彼。既摂受已往詣世間自在王如来所。頂礼双足右繞七匝。却住一面白言世尊。
我已摂受具足功徳厳浄仏土。
仏言。今正是時。汝応具説令衆歓喜。亦令大衆皆当摂受円満仏土。
法処白言。法処白言。唯願世尊。大慈留聴。我今将説殊勝之願。
- 阿難。法処比丘は彼において二十一億の諸仏土の中の所有の厳浄の事、悉くみな摂受せり。既に摂受し已りて、五劫を満足し、思惟し修習せり。
阿難、仏に白して言さく。世尊、彼の世間自在王如来の寿量は幾何ぞや。 世尊告げて曰く。彼の仏の寿量は満四十劫なり。
- 阿難。彼の二十一倶胝の仏刹に、法処比丘の摂する所の仏国は彼に超過せり。:既に摂受し已りて、世間自在王如来の所に往詣し、双足を頂礼して右に繞ること七匝し、却きて一面に住して世尊に白して言さく。
- 我已に功徳を具足せる厳浄の仏土を摂受せり。
- 仏言く。今正に是時なり。汝まさに具に説きて衆をして歓喜せしむべし。また大衆をしてみなまさに摂受して仏土を円満せしむべし。
- 法処白して言さく。唯願わくは世尊。大慈もって聴を留めたまえ。我今まさに殊勝の願を説かんと。
阿難。彼二十一倶胝仏刹。法処比丘所摂仏国超過於彼。既摂受已往詣世間自在王如来所。頂礼双足右繞七匝。却住一面白言世尊。我已摂受 具足功徳厳浄仏土。
仏言。今正是時。汝応具説令衆歓喜。亦令大衆皆当摂受円満仏土。
法処白言。唯願世尊。大慈留聴。我今将説殊勝之願。
- 阿難。彼の二十一倶胝の仏刹に、法処比丘の摂する所の仏国は彼に超過せり。既に摂受し已りて、世間自在王如来の所に往詣し、双足を頂礼して右に繞ること七匝し、却きて一面に住して世尊に白して言さく。我已に功徳を具足せる厳浄の仏土を摂受せり。
- 仏言く。今正に是時なり。汝まさに具に説きて衆をして歓喜せしむべし。また大衆をしてみなまさに摂受して仏土を円満せしむべし。
- 法処白して言さく。唯願わくは世尊。大慈もって聴を留めたまえ。我今まさに殊勝の願を説かんと。
(1) 若我 証得無上菩提。国中 有地獄・餓鬼・畜生趣者 我終 不取無上正覚。
- もし我、無上菩提を証得せんに、国中に地獄・餓鬼・畜生の趣あらば、我、終に無上正覚を取らじ。
(2) 若我成仏。国中衆生 有堕三悪趣者。我終不取正覚。
- もし我、成仏せんに、国中衆生、三悪趣に墮することあらば、我、終に正覚を取らじ。
(3) 若我成仏。国中有情 若不皆同真金色者。不取正覚
- もし我、成仏せんに、国中有情、もしみな同じく真金色ならざれば、正覚を取らじ。
(4) 若我成仏。国中有情 形貌差別 有好醜者。不取正覚
- もし我、成仏せんに、国中有情、形貌差別し、好醜あらば、正覚を取らじ。
(05 )若我成仏。国中有情不得宿念。下至不知 億那由他百千劫事者。不取正覚。
- もし我、成仏せんに、国中有情、宿念を得ず、下、億那由他百千劫の事を知らざるに至らば、正覚を取らじ。
(06) 若我成仏。国中有情若無天眼。乃至不見億那由他百千仏国土者。不取正覚。
- もし我、成仏せんに、国中有情、もし天眼なく、乃し億那由他百千仏の国土を見ざるに至らば、正覚を取らじ。
(07) 若我成仏。国中有情不獲天耳。乃至不聞 億那由他百千踰繕那 外仏説法者。不取正覚。
- もし我、成仏せんに、国中有情、天耳を獲ず、乃し億那由他百千踰繕那の外の仏の説法を聞かざるに至たらば、正覚を取らじ。
(08) 若我成仏。国中有情無他心智。乃至不知 億那由他百千仏国土中 有情心行者。不取正覚。
- もし我、成仏せんに、国中有情、他心智なく、乃し億那由他百千仏の国土の中の有情の心行を知らざるに至らば、正覚を取らじ。
(09) 若我成仏。国中有情不獲神通自在波羅蜜多。於一念頃不能 超過億那由他百千仏刹者。不取正覚。
- もし我、成仏せんに、国中有情、神通自在波羅蜜多を獲ず、一念の頃において億那由他百千の仏刹を超過すること能わざれば、正覚を取らじ。
(10) 若我成仏。国中有情 起於少分我 我所想者。不取菩提。
- もし我、成仏せんに、国中有情、少分も我我所の想を起こせば、菩提を取らじ。
(11) 若我成仏。国中有情 若不決定 成等正覚 証大涅槃者。不取菩提。
- もし我、成仏せんに、国中有情、もし決定して等正覚を成り、大涅槃を証せざれば、菩提を取らじ。
(12) 若我成仏。光明有限。下至不照億那由他百千及算数仏刹者。不取菩提。
- もし我、成仏せんに、光明限りありて、下、億那由他百千の算数の及ぶ仏刹を照らさざるに至らば、菩提を取らじ。
(13) 若我成仏。寿量有限乃至倶胝那由他百千及算数劫者。不取菩提。
- もし我、成仏せんに、寿量限りありて、乃し倶胝那由他百千の算数の及ぶ劫に至らば、菩提を取らじ。
(14) 若我成仏。国中声聞無有知其数者。仮使三千大千世界満中有情及諸縁覚。於百千歳尽其智算亦不能知。若有知者不取正覚。
- もし我、成仏せんに、国中の声聞、その数を知る者あることなからん。たとい三千大千世界の中に満てらん有情及び諸の縁覚、百千歳において、その智を尽くして算うとも、また知ること能わざらん。もし知る者あらば、正覚を取らじ。
(15) 若我成仏。国中有情寿量有限斉者。不取菩提。唯除願力而受生者。
- もし我、成仏せんに、国中有情、寿量に限斉あらば、菩提を取らじ。唯、願力もってしかも生を受くる者を除く。
(16) 若我成仏。国中衆生若有不善名者。不取正覚。
- もし我、成仏せんに、国中衆生、もし不善の名あらば、正覚を取らじ。
(17) 若我成仏。彼無量刹中無数諸仏。不共諮嗟称歎我国者。不取正覚。
- もし我、成仏せんに、彼の無量刹の中の無数の諸仏、共に我国を諮嗟し称歎せざれば、正覚を取らじ。
(18) 若我証得無上覚時。余仏刹中諸有情類。聞我名。已所有善根 心心廻向。願生我国。乃至十念。若不生者。不取菩提。唯除造無間悪業 誹謗正法及諸聖人。
- もし我、無上覚を証得せん時、余の仏刹の中の諸の有情の類、我が名を聞き、已所有の善根、心心に廻向せしむ。我が国に生まれんと願じて、乃至十念せん。もし生まれずば、菩提を取らじ。唯、無間悪業を造り、正法及び諸の聖人を誹謗せんを除く。
(19) 若我成仏。於他刹土。有諸衆生発菩提心。及於我所起清浄念。復以善根廻向 願生極楽。彼人臨命終時。我与諸比丘衆。現其人前。若不爾者。不取正覚。
- もし我、成仏せんに、他の刹土において諸の衆生ありて、菩提心を発し、及び我において起こす所の清浄念、また善根を以て廻向して極楽に生まれんと願ぜん。彼の人、命終の時に臨みて、我、諸の比丘衆とその人の前に現ぜん。もししからずば、正覚を取らじ。
(20) 若我成仏。無量国中所有衆生。聞説我名以己善根 廻向極楽。若不生者。不取菩提。
- もし我、成仏せんに、無量の国中の所有衆生、我が名を説くを聞きて、以て己が善根として極楽に廻向せん。もし生まれずば、菩提を取らじ。
(21) 若我成仏。国中菩薩皆不成就三十二相者。不取菩提。
- もし我、成仏せんに、国中の菩薩、みな三十二相を成就せずば、菩提を取らじ。
(22) 若我成仏。於彼国中。所有菩薩於大菩提。咸悉位階一生補処。唯除大願諸菩薩等。為諸衆生被精進甲。勤行利益修大涅槃。遍諸仏国行菩薩行。供養一切諸仏如来。安立洹沙衆生住無上覚。所修諸行復勝於前。行普賢道而得出離。若不爾者。不取菩提。
- もし我、成仏せんに、彼の国の中において、所有菩薩、大菩提において、ことごとく位階一生補処ならん。ただ大願ある諸の菩薩等、諸の衆生の為に精進の甲を被り、勤めて利益を行じ大涅槃を修して、遍く諸仏の国にして菩薩の行を行じ、一切の諸仏如来を供養して、洹沙衆生を安立し、無上覚に住し、修する所の諸行、また前に勝れて、普賢の道を行じ、しかも出離を得しめんを除く。もししからずば、菩提を取らじ。
(23) 若我成仏。国中菩薩毎於晨朝。供養他方乃至無量億那由他百千諸仏。以仏威力即以食前還到本国。若不爾者。不取菩提。
- もし我、成仏せんに、国中の菩薩、毎に晨朝において、他方乃至無量億那由他百千の諸仏を供養せんに、仏の威力を以て即ち食前を以て本国に還り到らん。もししからずば、菩提を取らじ。
(24) 若我成仏。於彼刹中。諸菩薩衆所須種種供具。於諸仏所殖諸善根。如是色類不円満者。不取菩提。
- もし我、成仏せんに、彼の刹中において、諸菩薩衆の須うる所の種種の供具、諸仏において殖うる所の諸の善根、是の如きの色類、円満せずば、菩提を取らじ。
(25) 若我当成仏時。国中菩薩説諸法要。不善順入一切智者。不取菩提。
- もし我、まさに成仏せん時、国中の菩薩、諸の法要を説きて、善く一切智に順入せずば、菩提を取らじ。
(26) 若我成仏。彼国所生諸菩薩等。若無那羅延堅固力者。不取正覚。
- もし我、成仏せんに、彼の国に生まるる所の諸の菩薩等、もし那羅延堅固の力なくば、正覚を取らじ。
(27) 若我成仏。周遍国中諸荘厳具。無有衆生能総演説。乃至有天眼者。不能了知所有雑類形色光相。若有能知及総宣説者。不取菩提。
- もし我、成仏せんに、国中に周遍する諸の荘厳の具、衆生能く総じて演説することあることなからん。乃至、天眼ある者も、所有雑類形色の光相を了知すること能わざらん。もし能く知り及び総じて宣説することあらば、菩提を取らじ。
(28) 若我成仏。国中具有無量色樹。高百千由旬。諸菩薩中有善根劣者。若不能了知。不取正覚。
- もし我、成仏せんに、国中に具に無量色の樹ありて、高さ百千由旬ならん。諸の菩薩の中に善根劣れる者ありて、もし了知すること能わざれば、正覚を取らじ。
(29) 若我成仏。国中衆生。読誦経典教授敷演。若不獲得勝弁才者。不取菩提。
- もし我、成仏せんに、国中の衆生、経典を読誦し教授敷演せん。もし勝弁才を獲得せざれば、菩提を取らじ。
(30) 若我成仏。国中菩薩有不成就無辺弁才者。不取菩提。
- もし我、成仏せんに、国中の菩薩、無辺の弁才を成就せざれば、菩提を取らじ。
(31) 若我成仏。国土光浄遍無与等。徹照無量無数不可思議。諸仏世界。如明鏡中現其面像。若不爾者。不取菩提。
- もし我、成仏せんに、国土の光浄、遍く与に等しきものなく、徹照すること無量無数不可思議にして、諸仏世界、明鏡の中にその面像を現ずるが如くならん。もししからずば、菩提を取らじ。
(32) 若我成仏。国界之内地及虚空有無量種香。復有百千億那由他数衆宝香鑪。香気普熏遍虚空界。其香殊勝超過人。天珍奉如来及菩薩衆。若不爾者。不取菩提。
- もし我、成仏せんに、国界の内地及び虚空に無量種の香あらん。また百千億那由他の数衆の宝香鑪ありて、香気普く熏じ虚空界に遍じて、その香殊勝にして人天に超過し、如来及び菩薩衆に珍奉せられん。もししからずば、菩提を取らじ。
(33) 若我成仏。周遍十方無量無数不可思議無等界衆生之輩。蒙仏威光所照触者。身心安楽超過人天。若不爾者。不取正覚。
- もし我、成仏せんに、周遍十方無量無数不可思議の無等界の衆生の輩、仏の威光を蒙りて照触せられん者、身心安楽にして人天に超過せん。もししからずば、正覚を取らじ。
(34) 若我成仏。無量不可思議無等界諸仏刹中菩薩之輩。聞我名已。若不証得離生獲陀羅尼者。不取正覚。
- もし我、成仏せんに、無量不可思議の無等界の諸仏刹の中の菩薩の輩、我が名を聞き已りて、もし離生を証得し、陀羅尼を獲ざれば、正覚を取らじ。
(35) 若我成仏。周遍無数不可思議無有等量。諸仏国中所有女人。聞我名已得清浄信。発菩提心厭患女身。若於来世不捨女人身者。不取菩提。
- もし我、成仏せんに、周遍無数不可思議の等量あることなき諸仏国中の所有女人、我が名を聞き已りて清浄の信を得、菩提心を発して女身を厭患せん。もし来世において女人の身を捨ざれば、菩提を取らじ。
(36) 若我成仏。無量無数不可思議無等仏刹菩薩之衆。聞我名已得離生法。若不修行殊勝梵行。乃至到於大菩提者。不取正覚。
- もし我、成仏せんに、無量無数不可思議の無等の仏刹の菩薩の衆、我が名を聞き已りて離生の法を得ん。もし殊勝の梵行を修行し、乃至、大菩提に到らずば、正覚を取らじ。
(37) 若我成仏。周遍十方無有等量諸仏刹中所有菩薩。聞我名已五体投地。以清浄心修菩薩行。若諸天人不礼敬者。不取正覚。
- もし我、成仏せんに、周遍十方の等量あることなき諸仏刹の中の所有菩薩、我が名を聞き已りて五体を地に投げ、清浄の心を以て菩薩の行を修せん。もし諸天人、礼敬せずば、正覚を取らじ。
(38) 若我成仏。国中衆生所須衣服随念即至。如仏命善来比丘法服自然在体。若不爾者。不取菩提。
- もし我、成仏せんに、国中の衆生、須うる所の衣服、念に随いて即ち至り、仏の善来比丘に命じたまう如くにして、法服、自然に体に在らん。もししからずば、菩提を取らじ。
(39) 若我成仏。諸衆生類纔生我国中。若不皆獲資具心浄安楽。如得漏尽諸比丘者。不取菩提。
- もし我、成仏せんに、諸の衆生の類、纔に我国の中に生まれんに、もしみな資具を獲て心浄く安楽なること、漏尽を得たる諸の比丘の如くならざれば、菩提を取らじ
(40) 若我成仏。国中群生。随心欲見諸仏浄国殊勝荘厳。於宝樹間悉皆出現猶如明鏡見其面像。若不爾者。不取菩提
- もし我、成仏せんに、国中の群生、心に随い、諸仏の浄国殊勝の荘厳を見んと欲わんに、宝樹の間において悉くみな出現すること、猶し明鏡にその面像を見るが如くならん。もししからずば、菩提を取らじ
(41) 若我成仏。余仏刹中所有衆生聞我名已。乃至菩提諸根有欠徳用非広者。不取菩提
- もし我、成仏せんに、余の仏刹の中の所有衆生、我が名を聞き已りて、乃至菩提まで、諸根欠くることありて、徳用広きに非ずば、菩提を取らじ
(42) 若我成仏。余仏刹中所有菩薩。聞我名已若不皆善分別勝三摩地名字語言。菩薩住彼三摩地中。於一刹那言説之頃。不能供養無量無数不可思議無等諸仏。又不現証六三摩地者。不取正覚
- もし我、成仏せんに、余の仏刹の中の所有菩薩、我が名を聞き已りて、もしみな善く勝三摩地の名字語言を分別せず、菩薩彼の三摩地の中に住して、一刹那の言説の頃において、無量無数不可思議の無等の諸仏を供養すること能わず、また現に六三摩地を証せずば、正覚を取らじ
(43) 若我成仏。余仏土中有諸菩薩。聞我名已。寿終之後。若不得生豪貴家者。不取正覚
- もし我、成仏せんに、余の仏土の中に諸の菩薩ありて、我が名を聞き已りて、寿終の後、豪貴の家に生まるることを得ずば、正覚を取らじ
(44) 若我成仏。余仏刹中所有菩薩聞我名已。若不応時修菩薩行。清浄歓喜得平等住具諸善根。不取正覚
- もし我、成仏せんに、余の仏刹の中の所有菩薩、我が名を聞き已りて、もし時に応じて菩薩の行を修し、清浄歓喜して平等住を得、諸の善根を具せざれば、正覚を取らじ
(45) 若我成仏。他方菩薩聞我名已。皆得平等三摩地門。住是定中常供無量無等諸仏。乃至菩提終不退転。若不爾者。不取正覚
- もし我、成仏せんに、他方の菩薩、我が名を聞き已りて、みな平等三摩地門を得、この定中に住して常に無量無等の諸仏を供し、乃至菩提まで終に退転せず。もししからずば、正覚を取らじ
(46) 若我成仏。国中菩薩随其志願。所欲聞法自然得聞。若不爾者。不取正覚
- もし我、成仏せんに、国中の菩薩、その志願に随いて、聞かんと欲する所の法、自然に聞くことを得ん。もししからずば、正覚を取らじ
(47) 若我証得無上菩提。余仏刹中所有菩薩聞我名已。於阿耨多羅三藐三菩提有退転者。不取正覚
- もし我、無上菩提を証得せんに、余の仏刹の中の所有菩薩、我が名を聞き已りて、阿耨多羅三藐三菩提において退転あらば、正覚を取らじ
(48) 若我成仏。余仏国中所有菩薩。若聞我名応時不獲一二三忍。於諸仏法不能現証不退転者。不取菩提。
- もし我、成仏せんに、余の仏国の中の所有菩薩、もし我が名を聞き、時に応じて一二三忍を獲ず、諸仏の法において現に不退転を証すること能わずば、菩提を取らじ。
爾時仏告阿難。彼法処比丘。於世間自在王如来前。発此願已。承仏威神。而説頌曰。
- その時、仏、阿難に告げたまわく。彼の法処比丘、世間自在王如来の前において、この願を発し已り、仏の威神を承けて、しかも頌を説きて曰わく。
今対如来発弘誓 当証無上菩提日 若不満足諸上願 不取十力無等尊 心或不堪常行施 広済貧窮免諸苦 利益世間使安楽 不成救世之法王 我証菩提坐道場 名聞不遍十方界 無量無辺異仏刹 不取十力世中尊 方趣無上大菩提 出家為求於欲境 於彼念慧行無有 不作調御天人師
- 今、如来に対して弘誓を発せり まさに無上菩提を証すべき日
- もし諸の上願を満足せずば 十力無等尊を取らじ
- 心或いは常行の施に堪え 広く貧窮を済いて諸の苦を免れしめ
- 世間を利益して安楽ならしめずば 救世の法王と成らじ
- 我、菩提を証して道場に坐し 名聞こえて十方界の
- 無量無辺の異の仏刹に遍ぜずば 十力世中の尊を取らじ
- まさに無上大菩提に趣き 出家するも欲境を求めん為に
- 彼において念慧の行あることなくば 調御天人師と作らじ
願獲如来無量光 普照十方諸仏土 能滅一切貪恚癡 亦断世間諸悪趣 願得光開浄慧眼 於諸有中破冥暗 除滅諸難使無余 安処天人大威者 修習本行已清浄 獲得無量勝威光 日月諸天摩尼火 所有光暉皆映蔽 最勝丈夫修行已 於彼貧窮為伏蔵 円満善法無等倫 於大衆中師子吼
- 願わくは如来の無量光を獲て 普く十方諸仏の土を照らし
- 能く一切の貪恚痴を滅し また世間の諸の悪趣を断ぜん
- 願わくは浄慧眼を光開することを得て 諸有の中において冥暗を破し
- 諸の難を除滅して余なからしめ 天人大威者に安処せん
- 本行を修習すること已に清浄にして 無量の勝威光を獲得し
- 日月・諸天・摩尼の火 所有光暉みな映蔽せん
- 最勝丈夫修行し已りて 彼の貧窮において伏蔵と為らん
- 善法を円満して等倫なけん 大衆の中にして師子吼せん
- 往昔供養自然智 多劫勤修諸苦行
- 為求最勝諸慧蘊 満足本願天人尊
- 如来知見無所礙 一切有為皆能了
- 願我当成無与等 最勝智者真導師
- 往昔、自然智を供養し 多劫に諸の苦行を勤修し
- 最勝の諸の慧蘊を求めんが為に 本願を満足して天人の尊たらん
- 如来の知見碍うる所なく 一切の有為みな能く了せん
- 願わくは我まさに無与等を成じて 最勝智者の真の導師とならん
我若当証大菩提 如斯弘誓実円満 願動三千大千界 天衆空中皆雨花 是時大地咸震動 天花鼓楽満虚空 并雨栴檀細末香 唱言未来当作仏
- 我もしまさに大菩提を証せば 斯の如きの弘誓実に円満すべし
- 願わくは三千大千界を動かし 天衆をして空中にみな花を雨ふらさしめん
- この時大地咸く震動し 天花鼓楽、虚空に満ちて
- 并びに栴檀細末香を雨ふらしめ 唱えて言わん未来にまさに作仏すべし
仏告阿難。彼法処比丘。於世間自在王如来。及諸天人魔梵沙門婆羅門等前。広発如是大弘誓願。皆已成就。世間希有。発是願已如実安住。種種功徳具足。荘厳威徳広大清浄仏土。修習如是菩薩行。時経於無量無数不可思議。無有等等億那由他百千劫内。
- 仏、阿難に告げたまわく。彼の法処比丘、世間自在王如来、及び諸の天人魔梵沙門婆羅門等の前において、広く是の如きの大弘誓願を発しき。みな已に成就したまえり。世間に希有にして、この願を発し已に実の如く安住す。種種の功徳具足して、威徳広大清浄の仏土を荘厳せり。是の如きの菩薩行を修習せること、時、無量無数不可思議。無有等等億那由他百千劫を経たり。
内初未曾起貪瞋及癡欲害恚想。不起色声香味触想。於諸衆生常楽愛敬猶如親属。其性温和易可同処。有来求者不逆其意。善言勧諭無不従心。資養所須趣支身命。少欲知足常楽虚閑。禀識聡明而無矯妄。其性調順無有暴悪。於諸有情常懐慈忍心。不詐諂亦無懈怠。善言策進求諸白法。普為群生勇猛無退。利益世間大願円満。
- 内に初めて未だ曾て貪・瞋及び痴、欲・害・恚の想を起こさず。色声香味触の想を起こさず。諸の衆生において常に愛敬を楽うこと、猶し親属の如し。その性、温和にして同処すべきこと易く、来たり求むる者あらばその意に逆わず。善言勧諭して心に従わずということなし。資養の須うる所、趣かに身命を支え、少欲知足にして常に虚閑を楽み、禀識聡明にして、しかも矯妄なることなく、その性、調順にして暴悪あることなし。諸の有情において常に慈忍の心を懐き、詐諂せず、また懈怠なし。善言策進して諸の白法を求めしめ、普く群生の為に勇猛にして退くことなく、世間を利益せしめ大願円満したまえり。
奉事師長敬仏法僧。於菩薩行常被甲胄。志楽寂静離諸染著。為令衆生常修白法。於善法中而為上首。住空無相無願無作無生不起不滅。無有憍慢。而彼正士行菩薩道時。常護語言不以語言害他及己。常以語業利己及人。若入王城及諸村落。雖見諸色心無所染。以清浄心不愛不恚。
- 師長に奉事し仏法僧を敬い、菩薩の行において常に甲胄を被り、志楽寂静にして諸の染著を離れ、為に衆生をして常に白法を修せしめ、善法の中において、しかも上首たり。空・無相・無願・無作・無生・不起・不滅に住して、憍慢あることなし。しかも彼の正士、菩薩の道を行せし時、常に語言を護りて語言を以て他及び己を害せず。常に語業を以て己及び人を利す。もしは王城及び諸の村落に入りて、諸色を見るといえども心に染する所なく、清浄の心を以て愛せず恚らず。
菩薩爾時。於檀波羅蜜起自行已。又能令他行於恵施。於尸波羅蜜乃至般若波羅蜜。起前二行皆悉円満。由成如是諸善根故。所生之処有無量億那由他百千伏蔵自然涌出。復令無量無数不可思議無等無辺諸衆生類。安住阿耨多羅三藐三菩提。
- 菩薩、その時、檀波羅蜜において自行を起こし已りて、また能く他をして恵施を行ぜしめ、尸波羅蜜、乃至、般若波羅蜜において、前の二行を起こし、みな悉く円満す。是の如きの諸の善根を成ずるに由るが故に、所生の処、無量億那由他百千伏蔵ありて自然に涌出し、また無量無数不可思議無等無辺の諸の衆生の類をして阿耨多羅三藐三菩提に安住せしむ。
如是無辺諸菩薩衆。起諸妙行。供養奉事於諸世尊。乃至成仏。皆不可以語言分別之所能知。或作輪王。帝釈。蘇焔摩天。兜率陀天。善化天。他化自在天。大梵天王。皆能奉事供養諸仏。及能請仏転於法輪。若作閻浮提王及諸長者。宰官婆羅門刹帝利等。諸種姓中皆能尊重供養諸仏。又能演説無量法門。従此永棄世間成無上覚。然彼菩薩能以上妙衣服臥具飲食医薬。尽形供養一切如来得安楽住。
- 是の如く無辺の諸の菩薩衆、諸の妙行を起こして、諸の世尊に供養し奉事したてまつりて、乃至成仏まで、みな語言の分別する所を以て能く知るべからず。或いは輪王・帝釈・蘇焔摩天・兜率陀天・善化天・他化自在天・大梵天王と作りて、みな能く諸仏を奉事し供養したてまつり、及び能く仏を請して法輪を転ぜしめ、もし閻浮提王及び諸の長者・宰官・婆羅門・刹帝利等と作りて、諸の種姓の中にしてみな能く諸仏を尊重し供養したてまつる。また能く無量の法門を演説して、此より永く世間を棄てて無上覚を成ず。然して彼の菩薩は能く上妙の衣服・臥具・飲食・医薬を以て、形を尽くすまで一切如来を供養して安楽に住することを得たり。
如是種種円満善根。非以語言能尽辺際。口中常出旃檀妙香。其香普熏無量無数乃至億那由他百千世界。復従一切毛孔。出過人天優鉢羅花上妙香気。随所生処相好端厳殊勝円満。又得諸資具自在波羅蜜多。一切服用周遍無乏。所謂諸宝香花幢幡繪蓋。上妙衣服飲食湯薬。及諸伏蔵珍玩所須。皆従菩薩掌中自然流出。身諸毛孔流出一切人天音楽。由是因縁能令無量無数不可思議諸衆生。等安住阿耨多羅三藐三菩提。阿難。我今已説法処菩薩本所修行。SSZ01-196
- 是の如きの種種円満の善根は、語言を以て能く辺際を尽くすにあらず。口中より常に旃檀の妙香を出だし、その香普く無量無数乃至億那由他百千世界に熏ず。また一切の毛孔より人天の優鉢羅花に過ぎたる上妙の香気を出だす。所生の処に随いて相好端厳にして殊勝に円満す。また諸の資具自在波羅蜜多を得。一切の服用周遍して乏しきことなし。所謂、諸の宝香花・幢幡・繪蓋・上妙の衣服・飲食・湯薬、及び諸の伏蔵、珍玩し須うる所、みな菩薩の掌の中より自然に流出し、身の諸の毛孔より一切の人天の音楽を流出す。この因縁に由りて能く無量無数不可思議の諸の衆生をして、等しく阿耨多羅三藐三菩提に安住せしむ。阿難、我今已に法処菩薩の本修行したまう所を説けり。
爾時阿難白仏言。世尊。彼法処菩薩成菩提者。為過去耶為未来耶。為今現在他方世界耶。仏告阿難。西方去此十万億仏刹。彼有世界名曰極楽。法処比丘在彼成仏。号無量寿。今現在説法。無量菩薩及声聞衆恭敬囲繞。阿難。彼仏光明普照仏刹。無量無数不可思議。我今略説。光照東方如恒河沙等国土。南西北方四維上下亦復如是。唯除諸仏本願威神所加。悉皆照燭。是諸仏光。或有加一尋者。或有加一由旬乃至億那由他百千由旬光者。或普照仏刹者。SSZ01-196
- その時、阿難、仏に白して言さく。世尊。彼の法処菩薩の菩提を成ずるは、過去と為るや、未来と為るや、今現に他方世界に在ると為るや。仏、阿難に告げたまわく。西方、ここを去ること十万億の仏刹にして、彼に世界あり、名づけて極楽と曰う。法処比丘、彼に在りて成仏し、無量寿と号す。今現に在して説法したまう。無量の菩薩及び声聞衆、恭敬し囲繞せり。阿難。彼の仏の光明は普く仏刹を照らすこと、無量無数不可思議なり。我今略して説かん。光、東方を照らすこと恒河沙等の国土の如し。南西北方四維上下もまたまた是の如し。ただ諸仏の本願威神の加うる所、悉くみな照燭するを除く。この諸仏の光は、或いは一尋を加うる者あり、或いは一由旬乃至億那由他百千由旬の光を加うる者あり、或いは普く仏刹を照らす者あり。
阿難。以是義故。無量寿仏復有異名。謂無量光。無辺光。無著光。無礙光。光照王端厳光。愛光。喜光。可観光。不思議光。無等光。不可称量光。映蔽日光。映蔽月光。掩奪日月光。彼之光明清浄広大。普令衆生身心悦楽。復令一切余仏刹中。天龍夜叉阿修羅等皆得歓悦。阿難。我今開示彼仏光明。満足一劫説不能尽。
- 阿難。この義を以ての故に無量寿仏にまた異名まします。謂く無量光・無辺光・無著光・無礙光・光照王端厳光・愛光・喜光・可観光・不思議光・無等光。不可称量光・映蔽日光・映蔽月光・掩奪日月光なり。彼の光明は清浄広大にして、普く衆生をして身心悦楽せしむ。また一切の余の仏刹の中の天龍夜叉阿修羅等をして、みな歓悦を得しむ。阿難。我、今、彼の仏の光明を開示せんに一劫を満足して説くとも尽くすこと能わじ。
復次阿難。彼無量寿如来。諸声聞衆不可称量知其辺際。仮使比丘満億那由他百千数量。皆如大目揵連神通自在。於晨朝時周歴大千世界。須臾之頃還至本処。彼経億那由他百千歳数。欲共計算無量寿仏初会之中諸声聞衆。尽其神力乃至滅度。於百分中不知其一。於千分百千分乃至鄔波尼殺曇分中。亦不知其一。
- また次に阿難。彼の無量寿如来の諸の声聞衆は称量してその辺際を知るべからず。たとい比丘をして億那由他百千の数量を満てて、みな大目揵連の如く神通自在ならしめ、晨朝の時において大千世界を周歴し、須臾の頃に本処に還り至らんに、彼、億那由他百千歳の数を経て、共に無量寿仏初会の中の諸声聞衆を計算せんと欲し、その神力を尽くし、乃し滅度に至らんに、百分が中においてその一をも知らず。千分・百千分乃至鄔波尼殺曇分の中においても、またその一をも知らず。
阿難。譬如大海。深八万四千由旬。以目極観不知辺際。若有丈夫。析一毛端為五十分。以其一分於大海中霑取一滴。阿難。彼之水滴比於大海。何者為多。阿難白言。仮使取千由旬水。猶以為少。況以毛端一分而可方之。仏告阿難。仮使比丘満億那由他百千数量。皆如大目揵連。経百千億那由他歳。皆共算数彼無量寿如来初会声聞。所知数量如彼毛端一滴之水。余不測者猶如大海。諸菩薩摩訶薩衆亦復如是。非以算計之所能知。
- 阿難。譬えば大海の如し。深きこと八万四千由旬にして目を以て極め観るも辺際を知らず。丈夫ありて一毛の端を析〈さ〉きて五十分と為し、その一分を以て大海の中において一滴を霑取せんがごとし。阿難。彼の水の滴を大海に比せんに、何れをか多と為す。阿難白して言さく。たとい千由旬の水を取るとも、なお以て少と為し、況んや毛端の一分を以て、しかもこれに方〈たくら〉ぶべけんや。仏、阿難に告げたまわく。たとい比丘をして億那由他百千の数量を満てて、みな大目揵連の如くならしめ、百千億那由他歳を経て、みな共に彼の無量寿如来の初会の声聞を算数せんに、知る所の数量は彼の毛端一滴の水の如く、余の測らざる者は、なお大海の如し。諸の菩薩摩訶薩衆もまたまた是の如し。算計を以て能く知る所にあらず。
阿難。彼仏寿命無量無辺。不可知其劫数多少。声聞菩薩及諸天人寿量亦爾。阿難白仏言。世尊。彼仏出世于今幾時。能得如是無量寿命。仏告阿難。彼仏受生経今十劫。
- 阿難。彼の仏の寿命は無量無辺にして、その劫数の多少を知るべからず。声聞・菩薩及び諸の天人の寿量のまた爾なり。阿難、仏に白して言さく。世尊。彼の仏、世に出でたまいてより今に幾時ぞや。能く是の如きの無量の寿命を得たまえる。仏、阿難に告げたまいき。彼の仏の受生は今に十劫を経たり。
復次阿難。彼極楽界無量功徳具足荘厳。国土豊稔天人熾盛。志意和適常得安隠。無有地獄畜生及琰魔王界。
- また次に阿難。彼に極楽界は無量の功徳具足荘厳して、国土豊稔に天人熾盛なり。志意和適にして常に安隠を得たり。地獄・畜生及び琰魔王界あることなし。
有種種香周遍芬馥。種種妙花亦皆充満。有七宝幢周布行列。其宝幢上懸諸幡蓋及衆宝鈴。具足百千諸妙雑色。
- 種種の香ありて周遍芬馥し、種種の妙花またみな充満せり。七宝の幢ありて周布行列し、その宝幢の上に諸の幡蓋及び衆の宝鈴を懸け、百千の諸の妙なる雑色を具足せり。
阿難。彼如来国多諸宝樹。或純黄金白銀琉璃頗梨。赤珠馬瑙玉樹。唯一宝成不雑余宝。或以二宝乃至七宝荘厳。阿難。彼金為樹者。以金為根茎。白銀為葉及以花果。白銀之樹銀為根茎。黄金為葉及以花果。馬瑙之樹馬瑙為根茎。美玉為葉及以花果。美玉樹者。玉為根茎。七宝為葉及諸花果。或有金樹。黄金為根。白銀為茎。琉璃為枝。頗梨為條。赤珠為葉。馬瑙為花。美玉為果。或有銀樹。以銀為根。黄金為茎。余枝果等飾同金樹。琉璃樹者。琉璃為根。黄金為茎。白銀為枝。頗梨為條。赤珠為葉。馬瑙為花。美玉為果。頗梨真珠馬瑙等樹。諸宝転飾皆若琉璃。復有玉樹。玉為其根。黄金為茎。白銀為枝。琉璃為條。頗梨為葉。赤珠為花。馬瑙為果。復有無量摩尼珠等宝荘厳樹。周遍其国。是諸宝樹光輝赫奕世無能比。以七宝羅網而覆其上。其網柔軟如兜羅綿。
- 阿難。彼の如来の国には諸の宝樹多し。或は純黄金・白銀・琉璃・頗梨・赤珠・馬瑙・玉の樹あり。ただ一宝をもって成り余宝を雑えざるあり。或は二宝乃至七宝を以て荘厳するあり。阿難。彼の金を樹と為る者は、金を以て根茎と為し、白銀を葉および花果と為す。白銀の樹は銀を根茎と為し、黄金を葉および花果と為す。馬瑙の樹は馬瑙を根茎と為し、美玉を葉および花果と為す。美玉の樹は、玉を根茎と為し、七宝を葉及び諸の花果と為す。或は金樹あり、黄金を根と為し、白銀を茎と為し、琉璃を枝と為し、頗梨を条と為し、赤珠を葉と為あい、馬瑙を花と為し、美玉を果と為す。或は銀樹あり、銀を以て根と為し、黄金を茎と為し、余の枝果等の飾も金樹に同じ。琉璃樹には琉璃を根と為し、黄金を茎と為し、白銀を枝と為し、頗梨を条と為し、赤珠を葉と為し、馬瑙を花と為し、美玉を果と為す。頗梨・真珠・馬瑙等の樹も、諸宝もって転た飾れること、みな琉璃のごとし。また玉樹あり、玉をその根と為し、黄金を茎と為し、白銀を枝と為し、琉璃を条と為し、頗梨を葉と為し、赤珠を花と為し、馬瑙を果と為す。また無量の摩尼珠等の宝荘厳の樹あり、その国を周遍す。この諸の宝樹は光輝赫奕として、世に能く比ぶものなし。七宝の羅網を以て、而もその上を覆えり。その網、柔軟にして兜羅綿の如し。
復次阿難。無量寿仏有菩提樹。高十六億由旬。枝葉垂布八億由旬。樹本隆起高五千由旬。周円亦爾。其條葉花果。常有無量百千種種妙色。及諸珍宝殊勝荘厳。謂月光摩尼宝。釈迦毘楞伽宝。心王摩尼宝。海乗流注摩尼宝。光輝遍照超過人天。於其樹上有諸金鎖。垂宝瓔珞周遍荘厳。謂盧遮迦宝。末瑳宝。及赤白青色真珠等宝。以為瓔珞。有師子雲聚宝等。以為其鎖飾諸宝柱。又以純金真珠雑宝鈴鐸以為其網。荘厳宝鎖彌覆其上。以頗梨万字半月宝等互相映飾。微風吹動出種種声。令千世界諸衆生等随楽差別。於甚深法証無生忍。阿難。彼千世界諸有情等。聞此音已住不退転無上菩提。及無量無数有情得無生法忍。
- また次に阿難。無量寿仏のみくにに菩提樹あり。高さ十六億由旬にして、枝葉垂布すること八億由旬なり。樹の本、隆起して高さ五千由旬なり。周円もまた爾なり。その条・葉・花・果には常に無量百千の種種の妙色、及び諸の珍宝殊勝の荘厳あり。謂く月光摩尼宝・釈迦毘楞伽宝・心王摩尼宝・海乗流注摩尼宝なり。光輝遍照して人天に超過せり。その樹の上において諸の金鎖あり。宝の瓔珞を垂れて周遍荘厳す。謂く盧遮迦宝・末瑳宝・及び赤・白・青色の真珠等の宝を以て瓔珞と為す。師子雲聚宝等あり、以てその鎖と為して諸の宝柱を飾れり。また純金・真珠・雑宝の鈴鐸を以て、以てその網と為し、宝鎖を荘厳してその上に彌覆せり。頗梨・万字・半月の宝等を以て互相に映飾す。微風吹き動かせば種種の声を出だして、千世界の諸の衆生等をして楽に随いて差別せしめ、甚深の法において無生忍を証せしむ。阿難。彼の千世界の諸の有情等、この音を聞き已りて不退転無上菩提に住し、及び無量無数の有情、無生法忍を得。
復次阿難。若有衆生。見菩提樹聞声嗅香。嘗其果味触其光影。念樹功徳。由此因縁乃至涅槃。五根無患心無散乱。皆於阿耨多羅三藐三菩提得不退転。復由見彼菩提樹故獲三種忍。何等為三。一者随声忍。二者随順忍。三者無生法忍。此皆無量寿仏本願威神見所加及往修静慮。無比喩故。無欠減故。善修習故。善摂受故。善成就故。
- また次に阿難。もし衆生ありて、菩提樹を見、声を聞き、香を嗅ぎ、その果の味を嘗め、その光影に触れて、樹の功徳を念ぜば、この因縁に由りて乃し涅槃に至るまで、五根、患なく、心、散乱くば、みな阿耨多羅三藐三菩提において退転せざることを得。また彼の菩提樹を見るに由るが故に三種の忍を獲。何等をか三と為る。一には随声忍、二には随順忍、三には無生法忍なり。これみな無量寿仏の本願の威神の見に加わる所、及び往に静慮を修すること、比喩なきが故に、欠減なきが故に、善く修習するが故に、善く摂受するが故に、善く成就するが故なり。
大宝積経巻第十七
大宝積経巻 第十八
大唐 三蔵菩提流志奉 詔訳
無量寿会 第五之二
復次阿難。彼極楽界。無諸黒山。鉄囲山。大鉄囲山。妙高山等。
阿難白仏言。世尊。其四天王天三十三天既無。諸山依何而住。
仏告阿難。於汝意云何。妙高已上有夜摩天。乃至他化自在天及色界諸天等。依何而住。
阿難白仏言。世尊。不可思議業力所致。
仏語阿難。不思議業汝可知耶。答言不也。
仏告阿難。諸仏及衆生善根業力。汝可知耶。答言不也。
世尊。我今於此法中実無所惑。爲破未来疑網故発斯問。
仏告阿難。彼極楽界其地無海而有諸河。河之狭者満十由旬。水之浅者十二由旬。如是諸河深広之量。或二十三十乃至百数。或有極深広者至千由旬。其水清冷具八功徳。濬流恒激出微妙音。譬若諸天百千伎楽。安楽世界其声普聞。有諸名花沿流而下。和風微動出種種香。居両岸辺多栴檀樹。修条密葉交覆於河。結実開花芳輝可玩。群生遊楽随意往来。或有渉河濯流嬉戯。感諸天水善順物宜。深浅寒温曲従人好。
阿難。
大河之下地布金砂。有諸天香世無能喩随風散馥。雑水流馚天曼陀羅花。優鉢羅花。波頭摩花。拘物頭華。芬陀利花。弥覆其上。復次阿難。彼国人衆。或時遊覧同萃河浜。有不願聞激流之響。雖獲天耳終竟不聞。或有願聞。即時領悟百千万種喜愛之声。所謂仏法僧声。止息之声。無性声。波羅蜜声。十力四無所畏声。神通声。無作声。無生無滅声。寂静声。辺寂静声。極寂静声。大慈大悲声。無生法忍声。灌頂受位声。得聞如是種種声已。獲得広大愛楽歓悦。而与観察相応。厭離相応。滅壊相応。寂静相応。辺寂静相応。極寂静相応。義味相応。仏法僧相応。力無畏相応。神通相応。止息相応。菩提相応。声聞相応。涅槃相応
復次阿難。彼極楽世界。不聞諸悪趣名。辺無障礙煩悩覆蔽名。無有地獄琰摩畜生名。辺無八難名。亦無苦受不苦不楽受名。尚無仮設何況実苦。是故彼国名爲極楽。
阿難。我今略説極楽因縁。若広説者窮劫不尽。復次阿難。彼極楽世界所有衆生。或已生。或現生。或当生。皆得如是諸妙色身。形貌端正神通自在。福力具足受用種種宮殿園林。衣服飲食香華瓔珞。随意所須悉皆如念。譬如他化自在諸天復次阿難。彼仏国中有微細食。諸有情類嘗無噉者。如第六天随所思念。如是飲食即同食已。色力増長而無便穢。復有無量如意妙香。塗香。末香。其香普熏彼仏国界。及散花幢幡亦皆遍満。其有欲聞香者随願即聞。或不楽者終無所受。復有無量上妙衣服宝冠環釧耳璫瓔珞花鬘帯鎖諸宝荘厳。無量光明百千妙色。悉皆具足自然在身。復有金銀真珠妙宝之網。懸諸宝鈴周遍厳飾。若諸有情所須宮殿楼閣等。随所楽欲高下長短広狭方円。及諸床座妙衣敷上。以種種宝而厳飾之。於衆生前自然出現。人皆自謂各処其宮。
復次阿難。
極楽国土。所有衆生無差別相。順余方俗有天人名。
阿難。譬如下賤半挓迦人。対於輪王則無可諭。威光徳望悉皆無有。又如帝釈方第六天。威光等類皆所不及。園苑宮殿衣服雑飾。尊貴自在階位神通。及以変化不可爲比。唯受法楽則無差別。阿難応知。彼国有情猶如他化自在天王。
阿難。彼極楽界。於晨朝時周遍四方。和風微動不逆不乱。吹諸雑花種種香気。其香普熏周遍国界。一切有情爲風触身。安和調適猶如比丘得滅尽定。其風吹動七宝樹林。華飄成聚高七人量。種種色光照曜仏土。譬如有人以花布地手按令平。随雑色花間錯分布。彼諸花聚亦復如是。其花微妙広大柔軟如兜羅綿。若諸有情足蹈彼花没深四指。随其挙足還復如初。過晨朝已其花自然没入於地。旧花既没大地清浄。更雨新花還復周遍。如是中時晡時。初中後夜飄花成聚亦復如是。
阿難。
一切広大珍奇之宝。無有不生極楽界者。
阿難。彼仏国中有七宝蓮花。一一蓮花有無量百千億葉。其葉有無量百千珍奇異色。以百千摩尼妙宝荘厳。覆以宝網。転相映飾。
阿難。
彼蓮花量或半由旬。或一二三四乃至百千由旬者。是一一花出三十六億那由他百千光明。一一光中出三十六億那由他百千諸仏。身如金色具三十二大丈夫相。八十随好殊勝荘厳。放百千光普照世界。是諸仏等。現往東方爲衆説法。皆爲安立無量有情於仏法中。南西北方四維上下亦復如是。
復次阿難。
極楽世界無有昏闇。亦無火光。涌泉陂湖彼皆非有。亦無住著家室林苑之名。及表示之像幼童色類。亦無日月昼夜之像。於一切処標式既無亦無名号。唯除如来所加威者。
阿難。
彼国衆生若当生者。皆悉究竟無上菩提到涅槃処。何以故。若邪定聚及不定聚。不能了知建立彼因故。
阿難。
東方如恒沙界。一一界中如恒沙仏。彼諸仏等各各称歎阿弥陀仏無量功徳。南西北方四維上下諸仏称讃亦復如是。何以故。
信巻引文
他方仏国所有衆生。聞無量寿如来名号。乃至能発一念浄信歓喜愛楽。所有善根迴向願生無量寿国者。随願皆生得不退転。乃至無上正等菩提。除五無間誹毀正法及謗聖者。
阿難。
若有衆生。於他仏刹発菩提心。専念無量寿仏。及恒種殖衆多善根。発心迴向願生彼国。是人臨命終時。無量寿仏与比丘衆。前後囲繞現其人前。即随如来往生彼国得不退転。当証無上正等菩提。是故阿難。若有善男子善女人。願生極楽世界欲見無量寿仏者。応発無上菩提心。復当専念極楽国土。積集善根応持迴向。由此見仏生彼国中。得不退転乃至無上菩提。
阿難。
若他国衆生発菩提心。雖不専念無量寿仏。亦非恒種衆多善根。随己修行諸善功徳。迴向彼仏願欲往生。此人臨命終時。無量寿仏即遣化身。与比丘衆前後囲繞。其所化仏光明相好与真無異。現其人前摂受導引。即随化仏往生其国。得不退転無上菩提。
阿難。
若有衆生住大乗者。以清浄心向無量寿如来。乃至十念念無量寿仏願生其国。聞甚深法即生信解。心無疑惑乃至獲得一念浄心。発一念心念無量寿仏。此人臨命終時。如在夢中見無量寿仏。定生彼国得不退転無上菩提。
行巻引文2
阿難。
以此義利故。無量無数不可思議無有等等無辺世界諸仏如来。皆共称讃無量寿仏所有功徳
仏告阿難。
東方如恒河沙界。一一界中有如恒*沙菩薩。爲欲瞻礼供養無量寿仏及諸聖衆来詣仏所。南西北方四維上下。亦復如是。
爾時世尊。而説頌曰
東方諸仏刹 数如恒河*沙
如是仏土中 恒*沙菩薩衆
皆現神通来 礼無量寿仏
三方諸聖衆 礼覲亦同帰
彼於*沙界中 道光諸弁論
住深禅定楽 四無所畏心
各齎衆妙花 名香皆可悦
并奏諸天楽 百千和雅音
以献天人師 名聞十方者
究竟威神力 善学諸法門
種種供養中 勤修無懈倦
功徳智慧景 能破諸幽冥
咸以尊重心 奉諸珍妙供
彼観殊勝刹 菩薩衆無辺
願速成菩提 浄界如安楽
世尊知欲楽 広大不思議
微笑現金容 告成如所願
了諸法如幻 仏国猶夢響
恒発誓荘厳 当成微妙土
菩薩以願力 修勝菩提行
知土如影像 発諸弘誓心
若求遍清浄 殊勝無辺刹
聞仏聖徳名 願生安楽国
若有諸菩薩 志求清浄土
了知法無我 願生安楽国
復次阿難。
極楽世界所有菩薩。於無上菩提皆悉安住一生補処。唯除大願能師子吼擐大甲冑摩訶薩衆爲度群生修大涅槃者。復次阿難。彼仏刹中諸声聞衆。皆有身光能照一尋。菩薩光照極百千尋。除二菩薩光明常照三千大千世界。
阿難白仏言。
世尊。彼二菩薩名爲何等。
仏告阿難。汝今諦聴。彼二菩薩。一名観自在。二名大勢至。
阿難。
此二菩薩従娑婆世界捨寿量已往生彼国。阿難。彼極楽界所生菩薩。皆具三十二相。膚体柔軟諸根聡利智慧善巧。於差別法無不了知。禅定神通善能遊戯。皆非薄徳鈍根之流。彼菩薩中有得初忍或第二忍者無量無辺。或有証得無生法忍。
阿難。
彼国菩薩乃至菩提不堕悪趣。生生之処能了宿命。唯除五濁刹中出現於世。
阿難。
彼国菩薩皆於晨朝。供養他方無量百千諸仏。随所希求種種花鬘塗香末香。幢幡繒蓋及諸音楽。以仏神力皆現手中供養諸仏。如是供具広大甚多。無数無辺不可思議。若復楽求種種名花。花有無量百千光色。皆現手中奉散諸仏阿難。其所散花。即於空中変成花蓋。蓋之小者満十由旬。若不更以新花重散。前所散花終不堕落。
阿難。
或有花蓋満二十由旬。如是三十四十乃至千由旬。或等四洲或遍小千中千。乃至三千大千世界。此諸菩薩生希有心得大喜愛。於晨朝時。奉事供養尊重讃歎無量百千億那由他仏。及種諸善根已。即於晨朝還到本国。此皆由無量寿仏本願加威及曾供如来。善根相続無欠減故。善修習故。善摂取故。善成就故
復次阿難。彼極楽界諸菩薩衆。所説語言与一切智相応。於所受用皆無摂取。遍遊仏刹無愛無厭亦無希求。不希求想。無自想。無煩悩想。無我想。無闘諍相違怨瞋之想。
何以故。彼諸菩薩。於一切衆生。有大慈悲利益心故。有柔軟無障礙心。不濁心。無忿恨心。有平等調伏寂静之心。忍心忍調伏心。有等引澄浄無散乱心。無覆蔽心。浄心。極浄心。照曜心。無塵心。大威徳心。善心。広大心。無比心。甚深心。愛法心。喜法心。善意心。捨離一切執著心。断一切衆生煩悩心。閉一切悪趣心故。行智慧行已成就無量功徳。於禅定覚分善能演説。
而常遊戯無上菩提勤修敷演。
肉眼発生能有簡択。天眼出現鑒諸仏土。
法眼清浄能離諸著。慧眼通達到於彼岸。
仏眼成就覚悟開示。生無礙慧爲他広説。
於三界中平等勤修。既自調伏亦能調伏一切有情。
能令獲得勝奢摩他。於一切法証無所得。
善能説法言辞巧妙。勤修供養一切諸仏。
摧伏有情一切煩悩。爲諸如来之所悦可而能如是。
如是思惟。作是思惟時。能集能見一切諸法皆無所得。
以方便智修行滅法。善知取捨理非理趣。
於理趣非理趣中皆得善巧。於世語言心不愛楽。
出世経典誠信勤修。善巧尋求一切諸法。
求一切法増長了知。知法本無実不可得。
於所行処亦無取捨。解脱老病住諸功徳。
従本已来安住神通勤修深法。
於甚深法而無退転。於難解法悉能通達。
得一乗道無有疑惑。於仏教法不由他悟。
其智宏深譬之巨海。菩提高広喩若須弥。
自身威光超於日月。凡所思択与慧相応。
猶如雪山其心潔白。光明普照無辺功徳焼煩悩薪。
方之於火不爲善悪之所動揺。心静常安猶如大地。
洗滌煩惑如清浄水。心無所主猶如火。
不著世間猶如風。養諸有情猶如地。
観諸世界如虚空。荷載衆生猶如良乗。
不染世法譬之蓮花。遠暢法音猶如雷震。
雨一切法方之大雨。光蔽賢聖猶彼大仙。
善能調伏如大竜象。勇猛無畏如師子王。
覆護衆生如尼拘陀樹。他論不動如鉄囲山。
修慈無量如彼恒河。諸善法王能爲前導如大梵天。
無所聚積猶如飛鳥。摧伏他論如金翅王。
難遇希有如優曇花。最勝丈夫其心正直。
無有懈怠能善修行。於諸見中善巧決定。
柔和忍辱無嫉妬心。論法無厭求法不倦。
常勤演説利益衆生。戒若琉璃内外明潔。
善聞諸法而爲勝宝。其所説言令衆悦伏。
以智慧力建大法幢。吹大法螺。撃大法鼓。
常楽勤修建諸法表。由智慧光心無迷惑。
遠衆過失亦無損害。以淳浄心離諸穢染。
常行恵施永捨慳貪。禀性温和常懐慚恥。
其心寂定智慧明察。作世間灯破衆生闇。
堪受利養殊勝福田。爲大導師周済群物。
遠離憎愛心浄無憂。勇進無怖爲大法将。
了知地獄調伏自他。利益有情抜諸毒箭。
爲世間解爲世間師。引導群生捨諸愛著。
永離三垢遊戯神通。因力。縁力。願力。発起力。世俗力。出生力。善根力。三摩地力。聞力。捨力。戒力。忍力。精進力。定力。慧力。奢摩他力。毘鉢舎那力。神通力。念力。覚力。摧伏一切大魔軍力。并他論法力。能破一切煩悩怨力。及殊勝大力。威福具足相好端厳。
智慧弁才善根円満。目浄脩広人所愛楽。
其身清潔遠離貢高。以尊重心奉事諸仏。
於諸仏所植衆善本。抜除憍慢離貪瞋痴。
殊勝吉祥応供中最。住勝智境赫奕慧光。
心生歓喜雄猛無畏。福智具足無有滞限。
但説所聞開示群物。随所聞法皆能解了。
於菩提分法勇猛勤修。空無相願而常安住。
及不生不滅諸三摩地。行遍道場遠二乗境。
阿難。我今略説彼極楽界所生菩薩摩訶薩衆真実功徳悉皆如是。
阿難。仮令我身住寿百千億那由他劫。
以無礙弁欲具称揚彼諸菩薩摩訶薩等真実功徳不可窮尽。
阿難。彼諸菩薩摩訶薩等。尽其寿量亦不能知
爾時世尊告阿難言。此是無量寿仏極楽世界。汝応従坐而起合掌恭敬五体投地爲仏作礼。彼仏名称遍満十方。彼一一方恒沙諸仏。皆共称讃無礙無断。
是時阿難。即従坐起偏袒右肩。西面合掌五体投地。
白仏言。世尊。我今欲見極楽世界無量寿如来。
并供養奉事無量百千億那由他仏及菩薩衆。種諸善根。
時無量寿仏。即於掌中放大光明。遍照百千倶胝那由他刹。彼諸仏刹所有大小諸山。黒山。宝山。須弥盧山。迷盧山。大迷盧山。目真隣陀山。摩訶目真隣陀山。鉄囲山。大鉄囲山。叢薄園林及諸宮殿天人等物。以仏光明皆悉照見。
譬如有人以浄天眼観一尋地見諸所有。又如日光出現万物斯覩。彼諸国中比丘比丘尼優婆塞優婆夷。悉見無量寿如来如須弥山王。照諸仏刹時諸仏国。皆悉明現如処一尋。以無量寿如来殊勝光明極清浄故。
見彼高座及諸声聞菩薩等衆。譬如大地洪水盈満。樹林山河皆没不現唯有大水。
如是阿難。彼仏刹中無有他論及異形類。唯除一切大声聞衆一尋光明。及彼菩薩摩訶薩踰繕那等百千尋光。彼無量寿如来応正等覚光明。映蔽一切声聞及諸菩薩。令諸有情悉皆得見。彼極楽界菩薩声聞人天衆等。一切皆覩娑婆世界釈迦如来。及比丘衆囲繞説法
爾時仏告弥勒菩薩言。
汝頗見具足清浄威徳荘厳仏刹。及見空中樹林園苑涌泉池沼不耶。
汝見大地乃至色究竟天。於虚空中散花樹林以爲荘厳。復有衆鳥住虚空界。出種種音猶如仏声普聞世界。是諸衆鳥皆是化作非実畜生。汝見是耶。
弥勒白仏言。唯然已見。
仏復告弥勒菩薩言。汝見此諸衆生。入踰繕那百千宮殿已。遊行虚空無著無礙。遍諸刹土供養諸仏。及見彼有情於昼夜分念仏相続不耶。
弥勒白言。唯然尽見。
仏復告言。汝見他化自在天与極楽諸人受用資具有差別不。弥勒白言。我不見彼有少差別。
仏告弥勒。汝見極楽世界人住胎不。
弥勒白言。世尊。譬如三十三天夜摩天等。入百由旬若五百由旬宮殿之内遊戯歓楽。我見極楽世界人住胎者。如夜摩天処於宮殿。又見衆生於蓮華内結加趺坐自然化生。
時弥勒菩薩復白仏言。
世尊。何因縁故。彼国衆生有胎生者化生者。
仏告弥勒。若有衆生。堕於疑悔積集善根。希求仏智。普遍智。不思議智。無等智。威徳智。広大智。於自善根不能生信。以此因縁。於五百歳住宮殿中。不見仏不聞法。不見菩薩及声聞衆。若有衆生。断除疑悔積集善根。希求仏智乃至広大智信已善根。此人於蓮華内結*加趺坐忽然化生。瞬息而出。譬如他国有人来至。而此菩薩亦復如是。余国発心来生極楽。見無量寿仏奉事供養。及諸菩薩声聞之衆。
阿逸多。汝観殊勝智者。彼因広慧力故受彼化生。於蓮花中結*加趺坐。汝観下劣之輩。於五百歳中不見仏不聞法。不見菩薩及声聞衆。不知菩薩威儀法則。不能修習諸功徳故。無因奉事無量寿仏。是諸人等皆爲昔縁疑悔所致。
譬如刹帝利王其子犯法。幽之内宮処以花観。層楼綺殿妙飾奇珍。宝帳金床重敷茵褥。名花布地焼大宝香。服御所資悉皆豊備。而以閻浮金鎖繋其両足。
仏告弥勒。於意云何。彼王子心寧楽此不。
答言不也。
世尊彼幽縶時常思解脱。求諸親識居士宰官長者近臣。王之太子雖希出離終不従心。乃至刹帝利王。心生歓喜方得解脱。
仏告弥勒。如是如是。若有堕於疑悔。種諸善根希求仏智乃至広大智。於自善根不能生信。由聞仏名起信心故。雖生彼国於蓮花中不得出現。彼等衆生処花胎中。猶如園苑宮殿之想。
何以故。彼中清浄無諸穢悪。一切無有不可楽者。然彼衆生於五百歳。不見仏不聞法。不見菩薩。及声聞衆。不得供養奉事諸仏。不得問於菩薩法蔵。遠離一切殊勝善根。彼等於中不生欣楽。不能出現修習善法。往昔世中過失尽已然後乃出。彼於出時。心迷上下四方之所。若五百歳無疑惑者。即当供養無量百千倶胝那由他仏。并種無量無辺善根。
汝阿逸多当知。
疑惑与諸菩薩爲大損害爾時弥勒菩薩白仏言。世尊。於此国界不退菩薩当生極楽国者其数幾何。
仏告弥勒。此仏土中有七十二億菩薩。彼於無量億那由他百千仏所。種諸善根成不退転当生彼国。況余菩薩由少善根生彼国者不可称計。阿逸多。従難忍如来仏国。有十八億不退菩薩。当生極楽世界。東北方宝蔵仏国中。有九十億不退菩薩。当生彼土。従無量声如来国中。有二十二億不退菩薩。当生彼土。従光明如来国中。有三十二億不退菩薩。当生彼土。従竜天如来国中。有十四億不退菩薩。当生彼土。従勝天力如来国中。有十二千不退菩薩。当生彼土。従師子如来国中。有五百不退菩薩。当生彼土。従離塵如来国中。有八十一億不退菩薩。当生彼土。従世天如来国中。有六十億不退菩薩。当生彼土。従勝積如来国中。有六十億不退菩薩。当生彼土。従人王如来国中。有十倶胝不退菩薩。当生彼土。従勝花如来国中。有五百菩薩。具大精進発趣一乗。於七日中能令衆生離百千億那由他劫生死流転。彼等亦当生極楽界。従発起精進如来国中。有六十九億不退菩薩。当生彼土。到彼国已。供養礼拝無量寿如来及菩薩衆。
阿逸多。
我若具説諸方菩薩生極楽界。若已到今到当到。爲供養礼拝瞻仰無量寿仏等者。但説其名。窮劫不尽。阿逸多。汝観彼諸菩薩摩訶薩善獲利益。若有聞彼仏名。能生一念喜愛之心。当獲如上所説功徳。心無下劣亦不貢高。成就善根悉皆増上。
阿逸多。
是故告汝及天人世間阿修羅等。今此法門付嘱於汝。応当愛楽修習。乃至経一昼夜。受持読誦生希望心。於大衆中爲他開示。当令書写執持経巻。於此経中生導師想。
阿逸多。
是故菩薩摩訶薩。欲令無量諸衆生等。速疾安住不退転於阿耨多羅三藐三菩提。及欲見彼広大荘厳。摂受殊勝仏刹円満功徳者。応当起精進力聴此法門。仮使経過大千世界満中猛火。爲求法故不生退屈諂偽之心。読誦受持書写経巻。乃至於須臾頃爲他開示。勧令聴聞不生憂悩。設入大火不応疑悔。何以故。彼無量億諸菩薩等。皆悉求此微妙法門。尊重聴聞不生違背。是故汝等応求此法。阿逸多。彼諸衆生獲大善利。若於来世乃至正法滅時。当有衆生*殖諸善本。已曾供養無量諸仏。由彼如来加威力故。能得如是広大法門。一切如来称讃悦可。若於彼法摂取受持。当獲広大一切智智。随意所楽種諸善根。若善男子善女人等。於彼法中広大勝解之者。当能聴聞獲大歓喜。受持読誦広爲他説常楽修行。
阿逸多。
無量億数諸菩薩等。求請此法不曾厭背。是故汝等諸善男子及善女人。於今来世能於是法若已求現求当求者。皆獲善利。
阿逸多。
如来所応作者皆已作之。汝等応当安住無疑種諸善本。応常修学使無疑滞。不入一切種類珍宝成就牢獄。
阿逸多。如是等類大威徳者。能生広大仏法異門。由於此法不聴聞故。有一億菩薩。退転阿耨多羅三藐三菩提。
阿逸多。
仏出世難。離八難身亦爲難得。諸仏如来無上之法。十力無畏無礙無著甚深之法。及波羅蜜等菩薩之法。能説法人亦難開示。阿逸多。善説法人非易可遇。堅固深信時亦難遭。是故我今如理宣説。汝等修習応如教住。
汝阿逸多。
我以此法門及諸仏法嘱累於汝。汝当修行無令滅没。如是広大微妙法門。一切諸仏之所称讃。勿違仏教而棄捨之。当令汝等獲不善利。淪没長夜備衆危苦。是故我今爲大嘱累。当令是法久住不滅。応勤修行随順我教。
爾時世尊。而説頌曰
若於福徳初未修 終不聞斯微妙法
勇猛能成諸善利 当聞如是甚深経
彼人曾見諸世尊 能作大光拯濁世
多聞総持如巨海 彼獲聖賢喜愛心
懈怠邪見下劣人 不信如来斯正法
若曾於仏*殖衆善 救世之行彼能修
譬如盲人恒処闇 不能開導於他路
声聞於仏智亦然 況余有情而悟解
如来功徳仏自知 唯有世尊能開示
天竜夜叉所不及 二乗自絶於名言
若諸有情当作仏 行超普賢登彼岸
敷演一仏之功徳 時逾多劫不思議
於是中間身滅度 仏之勝慧莫能量
是故具足於信聞 及諸善友之摂受
得聞如是深妙法 当獲愛重諸聖尊
如来勝智遍虚空 所説義言唯仏悟
是故博聞諸智士 応信我教如実言
人趣之身得甚難 如来出世遇亦難
信慧多時方乃獲 是故修者応精進
如是妙法已聴聞 常念諸仏而生喜
彼人往昔真吾友 善能楽欲仏菩提
爾時世尊説是経已。天人世間有万二千那由他億衆生。遠塵離垢得法眼浄。二十億衆生。得阿那含果。六千八百比丘。諸漏已尽心得解脱。四十億菩薩。於無上菩提住不退転。被大甲冑当成正覚。有二十五億衆生得不退忍。有四万億那由他百千衆生。於無上菩提未曾発意。今始初発種諸善根。願生極楽世界見阿弥陀仏。皆当往生彼如来土。各於異方次第成仏同名妙音。有八万億那由他衆生。得授記法忍成無上菩提。彼無量寿仏昔行菩薩道時成熟有情。悉皆当生極楽世界。憶念儔昔所発思願皆得成満爾時三千大千世界六種震動。并現種種希有神変。放大光明普照世界。無量億那由他百千天人。同時音楽不鼓自鳴。雨天曼陀羅花没至于膝。乃至阿迦膩吒天。皆作種種殊妙供養。仏説経已。弥勒菩薩等及尊者阿難。一切大衆聞仏所説。皆大歓喜
大宝積経巻第十八