操作

「顕浄土真実教行証文類 (序)」の版間の差分

提供: WikiArc

1行目: 1行目:
 
<div style="border:solid #555 1px;background:#F5F5F5;padding:1.5em;margin:0 auto 1em auto; font-size:110%" >
 
<div style="border:solid #555 1px;background:#F5F5F5;padding:1.5em;margin:0 auto 1em auto; font-size:110%" >
{{脚注検証中}}
+
 
 
<span id="P--131"></span>
 
<span id="P--131"></span>
 
==顕浄土真実教行証文類==
 
==顕浄土真実教行証文類==

2005年10月11日 (火) 22:49時点における版

顕浄土真実教行証文類

総序

   顕浄土真実教行証文類 序


 ひそかにおもんみれば難思の弘誓難度海を度する大船、無碍の光明は無明の闇を破する恵日なり。しかればすなはち浄邦縁熟して、調達(提婆達多)、闍世(阿闍世)をして逆害を興ぜしむ。浄業機彰れて、釈迦、韋提をして安養を選ばしめたまへり。これすなはち権化の仁、斉しく苦悩の群萌を救済し、世雄の悲、まさしく逆謗闡提を恵まんと欲す。

ゆゑに知んぬ、円融至徳の嘉号は悪を転じて徳を成す正智、難信金剛の信楽は疑を除き証を獲しむる真理なりと。

 しかれば凡小修し易き真教、愚鈍往き易き捷径なり。大聖一代の教、この徳海にしくなし

穢を捨て浄を欣ひ、行に迷ひ信に惑ひ、心昏く識寡く、悪重く障多きもの、ことに如来(釈尊)の発遣を仰ぎ、かならず最勝の直道に帰して、もつぱらこの行に奉へ、ただこの信を崇めよ。ああ、弘誓の強縁、多生にも値ひがたく、真実の浄信、億劫にも獲がたし。

たまたま行信を獲ば、遠く宿縁を慶べ。もしまたこのたび疑網に覆蔽せられば、かへつてまた曠劫を経歴せん。誠なるかな、摂取不捨の真言、超世希有の正法聞思して遅慮することなかれ

 ここに愚禿釈の親鸞、慶ばしいかな、西蕃・月支の聖典、東夏・日域の師釈に、遇ひがたくしていま遇ふことを得たり、聞きがたくしてすでに聞くことを得たり。真宗の教行証を敬信して、ことに如来の恩徳の深きことを知んぬ。ここをもつて聞くところを慶び、獲るところを嘆ずるなりと。

 出典(教学伝道研究センター編『浄土真宗聖典(注釈版)第二版』本願寺出版社)