「六波羅蜜」の版間の差分
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+ | [[六波羅蜜]]は自己のさとりだけを目指す[[小乗]]の「[[八聖道]]」を、[[大乗]]の修行徳目として再構成して示したものである。それは[[利他]]である[[布施]]といふ、財施、法施、無畏施など他者に施すことを一番目に挙げた理由であったのだろう。→[[四弘誓願]]<br /> | ||
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+ | :国を<kana>棄(す)</kana>て王を<kana>捐(す)</kana>てて財色を<kana>絶(た)</kana>ち<kana>去(さ)</kana>け、みづから[[六波羅蜜]]を行じ、人を教へて行ぜしむ。([[大経上#P--27|大経 P.27]]) | ||
+ | この六波羅蜜中の、[[持戒]]、[[禅定]]、[[智慧]]の三を[[智慧]]へ至る為の[[三学]]といふ。法然聖人は「ここにわがごときは、すでに[[戒定慧]]の[[三学]]のうつは物にあらず」([[和語灯録#marksangaku|和語灯録 p.608]]) として、三学の実践とは別に、凡夫にふさわしい行として称名念仏の教えを説いた。 | ||
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2024年10月19日 (土) 10:38時点における最新版
ろっぱらみつ
波羅蜜は梵語パーラミター(pāramitā)の音写。度、到彼岸と漢訳する。大乗の菩薩の修めねばならない六種の
- ①布施。施しをすること。
- ②
持戒 。戒律を守ること。 - ③
忍辱 。たえ忍ぶこと。 - ④
精進 。すすんで努力すること。 - ⑤
禅定 。精神を統一し、安定させること。 - ⑥智慧。真実の智慧(さとり)を得ること。前五波羅蜜の根拠ともなる無分別智。→波羅蜜 (はらみつ)。
『浄土真宗聖典(注釈版)七祖篇』本願寺出版社
区切り線以下の文章は各投稿者の意見であり本願寺派の見解ではありません。
- →十波羅蜜
六波羅蜜各徳目の行が波羅蜜 (完全なもの) となるのは、第六の智慧波羅蜜を求めることにより、その智慧波羅蜜に基づいて修習されるとき完全な六波羅蜜となるであり、何よりも智慧波羅蜜が根本とされる。
六波羅蜜は自己のさとりだけを目指す小乗の「八聖道」を、大乗の修行徳目として再構成して示したものである。それは利他である布施といふ、財施、法施、無畏施など他者に施すことを一番目に挙げた理由であったのだろう。→四弘誓願
『無量寿経』に、
- 国を
棄 て王を捐 てて財色を絶 ち去 け、みづから六波羅蜜を行じ、人を教へて行ぜしむ。(大経 P.27)
この六波羅蜜中の、持戒、禅定、智慧の三を智慧へ至る為の三学といふ。法然聖人は「ここにわがごときは、すでに戒定慧の三学のうつは物にあらず」(和語灯録 p.608) として、三学の実践とは別に、凡夫にふさわしい行として称名念仏の教えを説いた。
- →三学
◆ 参照読み込み (transclusion) JDS:六波羅蜜
ろっぱらみつ/六波羅蜜
ろくはらみつとも。大乗菩薩における代表的な六つの実践徳目。六波羅蜜多とも音写し、六度・六度無極・六到彼岸と義訳する。①布施(めぐみほどこすこと)②持戒(いましめまもること)③忍辱(たえしのぶこと)④精進(つとめはげむこと)⑤禅定(しずめたもつこと)⑥般若(智慧、さとりめざめること)という六つの善行・徳行であり、覚りを目指し、その成就に努力する大乗菩薩の修行の眼目である。『般若経』は般若波羅蜜の教えを説く経典であるが、六波羅蜜は菩薩摩訶薩の主要な実践行として繰り返し説かれる。その際『小品般若経』などに般若波羅蜜が他の五波羅蜜を導くものであることなどが記されるが、六波羅蜜の徳目はそれぞれ相互に関連し合いながら般若波羅蜜の大きな理念の中に含まれるというのが、『般若経』の立場である。『無量寿経』上にいう「自ら六波羅蜜を行じ、人を教えて行ぜしむ」(聖典一・二三五/浄全一・一二)とは、まさに法蔵菩薩の菩薩行の肝要にほかならない。
【参照項目】➡六度万行
【執筆者:勝崎裕彦】
- →三学
- →八聖道
- →WDM:ろくはらみつ