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あんじん-もん
 
あんじん-もん
  
 [[安心]]とは、心に安らぎと満足があたえられること。また、安らぎが与えられたこころの状態。門とは事物を区別して分類する語。
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 「[[起行門]]」に対する語。[[安心]](あんじん)とは、心を一処に安置して不動なこと。安定した心のこと。また、安らぎが与えられたこころの状態をいふ。門とは事物を区別して分類する語で、[[安心門]]とは[[行業]]を示す[[起行門]]と区別して本願力回向の'''「[[安心]]」'''を論ずる門である。
善導大師の『往生礼讃』に、安心・起行・作業とある所から、何に心を安定させ安心するかを論ずることを安心門という。<br />
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善導大師の『往生礼讃』([[往生礼讃_(七祖)#P--654|往生礼讃 P.654]]) に、[[安心]]・[[起行]]・[[作業]]とある所から、何に、何の故に、どのように往生を[[期す]]る心を決定し安心するかを論ずることを[[安心門]]という。<br />
この安心門の立場では、安心は[[廃立]]にありとして、徹底して仮のもの(権)を廃し捨てて、真実(実)を立てる。
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この[[安心門]]の立場では、善悪をかえりみず、本願念仏について決定の信心を建立する。法然聖人はこの意を「醍醐本法然上人伝記」に、
本願寺派では「安心論題」として、宗義上の問題をテーマ別に種々に論ずる。<br />
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親鸞聖人は、「真仏土」で、「真仮を知らざるによりて、如来広大の恩徳を迷失す。」([[顕浄土真仏土文類#真仮対弁]])と示されている。
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:善人は善人ながら、悪人は悪人ながら、本(もと)のままにて申すべし。これ念仏に入る故なり、始めに持戒・破戒なにくれと云ふべからず。ただ本の体ありのままにて申すべし、と云々。→[[醍醐本法然上人伝記#善悪の機の事]]
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といい、善人は善人のまま、悪人は悪人のまま、もとの体ありのままにて念仏し救われていくという、[[機]]の善悪を超絶した絶対平等の救済のありさまを顕わされていた。このように安心とは機の善悪を問わず、「安心は'''[[廃立]]'''にあり」として、徹底して[[自力]]の「[[仮]]」を廃して[[他力]]である[[本願力]]の「[[真]]」を立てる。いわゆる[[仮]]([[]])を廃し捨てて、[[選択本願]]である[[名号]]の真実(実)を立てる。浄土真宗は何を「[[真実]]」とし拠り所とするかを徹底的に考究するのでこれを'''[[安心]]'''を論ずる[[安心門]]といふのである。<br />
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なお、本願寺派では「[[安心論題]]」として、宗義上の問題をテーマ別に種々に論ずるのだが[[EXC:衒学的|衒学的]]で煩瑣な面もあり難解でもある。<br />
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親鸞聖人は「真仏土巻」で、「真仮を知らざるによりて、如来広大の恩徳を迷失す」([[顕浄土真仏土文類#真仮対弁|真巻 P.373]])と示されておられるのも安心は真仮の廃立を本とする意である。
  
 
:→[[安心]]
 
:→[[安心]]
 
:→[[起行門]]
 
:→[[起行門]]
 
:→[[安心論題の話]]
 
:→[[安心論題の話]]
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:→[[四不十四非]]
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2024年10月31日 (木) 15:54時点における最新版

あんじん-もん

 「起行門」に対する語。安心(あんじん)とは、心を一処に安置して不動なこと。安定した心のこと。また、安らぎが与えられたこころの状態をいふ。門とは事物を区別して分類する語で、安心門とは行業を示す起行門と区別して本願力回向の安心を論ずる門である。 善導大師の『往生礼讃』(往生礼讃 P.654) に、安心起行作業とある所から、何に、何の故に、どのように往生を期する心を決定し安心するかを論ずることを安心門という。
この安心門の立場では、善悪をかえりみず、本願念仏について決定の信心を建立する。法然聖人はこの意を「醍醐本法然上人伝記」に、

善人は善人ながら、悪人は悪人ながら、本(もと)のままにて申すべし。これ念仏に入る故なり、始めに持戒・破戒なにくれと云ふべからず。ただ本の体ありのままにて申すべし、と云々。→醍醐本法然上人伝記#善悪の機の事

といい、善人は善人のまま、悪人は悪人のまま、もとの体ありのままにて念仏し救われていくという、の善悪を超絶した絶対平等の救済のありさまを顕わされていた。このように安心とは機の善悪を問わず、「安心は廃立にあり」として、徹底して自力の「」を廃して他力である本願力の「」を立てる。いわゆる()を廃し捨てて、選択本願である名号の真実(実)を立てる。浄土真宗は何を「真実」とし拠り所とするかを徹底的に考究するのでこれを安心を論ずる安心門といふのである。
なお、本願寺派では「安心論題」として、宗義上の問題をテーマ別に種々に論ずるのだが衒学的で煩瑣な面もあり難解でもある。
親鸞聖人は「真仏土巻」で、「真仮を知らざるによりて、如来広大の恩徳を迷失す」(真巻 P.373)と示されておられるのも安心は真仮の廃立を本とする意である。

安心
起行門
安心論題の話
四不十四非

参照WEB版浄土宗大辞典の「安心門・起行門」の項目